「詩人たちは、これから新しい出版社と出会ってもらいたい」
廃業の情報について、書肆山田の鈴木一民さんは12月1日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「まったくないというわけではありません。早晩、閉じざるをえないというのは確かです。大泉は、本づくりや原稿読みに携わって来て、他に編集者はいません。大泉の仕事が『書肆山田』でした。僕と二人三脚でやってきたもんですから、新しい編集者を雇い入れる気はございません。8月を最後に、もう新しい本は出てないんですね。個人出版ですので、いつかは閉じないといけないと思っています」
大泉さんと2人で出版社を継いだとき、「どちらかがいなくなれば、辞めましょう」と約束したという。鈴木さんは、「これまでは、自転車操業のようにやってきただけです。詩人の方たちは、これから新しい出版社と出会ってもらいたいと思っています。今まで、読者の皆様にはお世話になってきました」と話した。
廃業の可能性を投稿した人は、書肆山田から本を出しており、鈴木さんは、情報が流れた経緯をこう明かす。
「本人には、『11月までは何とか』と残務整理目標としてしゃべってしまったかもしれません。その前に、少しでも在庫が動けばと、よかれと思って善意で書かれたのではないかと思っています。後でそのことを聞いて、僕は驚きました。本人からはすぐに、『投稿は削除しました』と返事が来ましたよ」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)