世界的な旅行ガイドブック「ロンリープラネット」が2022年11月中旬、「23年に行くべき旅行先」(Best in Travel 2023)30か所を発表し、日本からは唯一福岡が選ばれた。
「食」「旅」「つながり」「学び」「くつろぎ」の5つの分野ごとに6か所ずつ選出され、福岡は「食」の分野で選ばれた。30都市のうち日本から選ばれたのは福岡だけだった。福岡の「食」は、もつ鍋や屋台で食べる豚骨ラーメンが有名だが、カフェやバーなど、それ以外のグルメスポットも多い。こういった幅の広さが評価されたとみられる。
200人以上が出した候補を30か所に絞り込む
「行くべき旅行先」は、ロンリープラネットのスタッフ、執筆者ら200人以上が候補を出し、旅の専門家チームが絞り込んだ上で、5人の審査員が30か所を選んだ。
ロンリープラネットのウェブサイトでは単に「福岡」と表記されているが、「九州最大の都市であり、日本で8番目に人口の多い都市。那珂川西岸の城下町・福岡と東岸の商人の町・博多の2つの町で成り立っている」と説明されており、福岡県ではなく福岡市のことを指していることが分かる。「食」分野の残り5か所は、リマ(ペルー)、ウンブリア(イタリア)、クアラルンプール(マレーシア)、モンテビデオ(ウルグアイ)、南アフリカ。ウンブリアはイタリア中部の州で、州都はペルージャ。
ウェブサイトでは、福岡について
「屋台や世界的に有名な博多ラーメンなど、食にまつわるさまざまなイベントが開催されている」
と紹介している。
「地元民のように食べたければ『カタ麺』で」
ウェブサイトでは3泊4日にわたるモデルコースも紹介されており、初日に登場した店舗だけでも、エスプレッソスタンド「TAGST?」(タグスタ)、老舗デパート「岩田屋本店」(中央区天神)のデパ地下、もつ鍋専門店「前田屋」、「バー・オスカー」と多彩だ。ラーメンは有名店の「博多らーめん ShinShin」「八ちゃんラーメン」の2店舗を紹介。「地元民のように食べたければ『カタ麺』で」というアドバイスつきだ。
福岡市の11月29日の発表では、選出された理由を
「屋台やラーメンをはじめ、おしゃれなバー、コーヒーショップなど、美食家にとってもバラエティ豊かな食文化を楽しむことができることが、今回の選定に際し、フックになったと思われる」
と分析している。水際対策の緩和が進む中、福岡市では23年夏には世界水泳選手権も控えており、「食」をきっかけにした観光客増加にも期待を寄せている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)