元HKT48で美容系ユーチューバーの「ゆうこす」こと菅本裕子さん(28)が、「Wi-Fiは肌へ悪影響」といった内容で自らプロデュースしたブランドの化粧水を宣伝する動画配信を行い、皮膚科医からツイッター上で批判された。
菅本さんは、「言い間違え」だったとツイッターで謝罪し、ユーチューブから動画を削除した。化粧水サイト上などでも、「Wi-Fi から保護する成分を配合」との表現があるが、ブランド運営会社は、「対応について社内で確認している」と取材に説明した。
「Wi-Fiとかも肌への悪影響になっちゃうんですよ」
「このコフレ最強すぎるでしょ...」。菅本さんは、こんなタイトルなどでユーチューブに動画を投稿した。
その中で菅本さんは、自らのスキンケアブランド「YOAN(ユアン)」の化粧水商品「BQ ミストローション」を紹介する際に、
「実はブルーライトとかWi-Fiとかも肌への悪影響になっちゃうんですよ」
などと発言した。
そのうえで、先述の化粧水について、「Wi-Fiとかブルーライトもカットもできる」と宣伝した。テロップでも、Wi-Fiなどから保護するとした「RCバリアコンプレックス成分入り」と表示されていた。
これに対し、皮膚科医で医療系メディア「Lumedia」編集長のやさひふさんが2022年11月30日、「wi-fiが人体へ有害という適切な根拠はありません」とツイッターで指摘し、「身近な物への不安を煽り、対応策として自分の製品を売るのはよくある手口です...」と苦言を呈した。
そして、「『RCバリアコンプレックス』という成分の効果について全く根拠が示されていないと、非常に問題が多い宣伝だと言えます」とも述べた。
「言い間違え」と釈明も...
やさひふさんの最初の投稿が1万件以上リツイートされるなど反響を呼ぶと、菅本さんは11月30日中にツイッターを更新し、次のように釈明した。
「申し訳ございません。Wi-Fiじゃなくてブルーライトのみでした、、私の言い間違えでした ご指摘ありがとうございます!upしたYouTubeは削除しておきます ブルーライトの方はエビデンス取っております!」
目への影響が話題になるブルーライトについて、肌にも影響するという「エビデンス」をツイッター上ではまだ示していないようだ。その後、この投稿も削除されている。
また、本人は削除された投稿で「言い間違え」としていたが、YOAN公式サイトでも、この化粧品について「Wi-Fi から保護する成分を配合」などと紹介されていた。同商品を紹介するプレスリリースでも、
「光老化の原因となり得るブルーライトやWi-Fiから保護するRCバリアコンプレックスを配合し、現代女性の味方に」
と書いてあった。こうした点を踏まえ、菅本さんが「言い間違え」と説明したことに疑問を抱く声も出ている。
「社内で確認しており、お知らせを近く出す予定」
菅本さんは、公式ツイッターで、「モテる為に生きてる!」として、モテクリエイターを称している。38万人以上のフォロワーがいるほか、削除した動画を投稿した「ゆうこすモテちゃんねる」は、登録者が86万人もいる。アイドル出身の美容系インフルエンサーとして、影響が大きい存在だ。
菅本さんが手がけたブランド「YOAN」の商品は、BiopleやCosme Kitchen、@cosmeといった大手の美容関連店でも取り扱われている。
先述の皮膚科医・やさひふさんは、YOANの公式サイトで、商品について、「お肌のことを1番に考える」「鉱物油フリー」とうたっていることについても、ツイッターで以下のように疑問を呈している。
「鉱物油の代表格『ワセリン』は肌にやさしい成分の代表格ですよ。身近な物への不安感を煽る行為は宣伝として不適切では?」
YOANの公式サイト上では12月1日夕現在、「Wi-Fi から保護」などの表現が残ったままだが、何か対応はするのだろうか。
菅本さんが代表を務める運営会社「KYU」(東京都渋谷区)は同日、J-CASTニュースの取材に対し、「社内で確認していますので、お答えできかねます。対応については、お知らせを近く出す予定にしています」と答えた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)