2022年11月29日放送のドラマ「君の花になる」(TBS系)第7話で、主演の本田翼さん演じるあす花が教師を辞めた理由が明らかになった。劇中で描かれた「優しさの搾取」が視聴者の間で反響を呼んでいる。
頑張り屋で、生徒から慕われていたあす花だが...
ドラマは、元高校教師の主人公・仲町あす花(本田さん)が、売れない7人組ボーイズグループ「8LOOM(ブルーム)」の寮母として、一緒にトップアーティストになる夢に向かっていく物語。グループのリーダーでかつての教え子・佐神弾を高橋文哉さんが演じる。
弾の高校で行われた「8LOOM」のライブに駆けつけるも、過去のトラウマから校門の前で動けなくなってしまったあす花。元同僚の教師・池谷(前田公輝さん)はあす花を救出し、家まで送る。弾は、池谷にあす花が過去に何があったのか質問する。
当時から、頑張り屋で面倒見のいい、生徒に慕われる存在だったあす花。進路相談やもめている生徒の仲裁をはじめ、馴染みのない部活の顧問や、他の教師の雑用まで請け負う過重労働状態に陥っていた。
そんななか、ある生徒とのトラブルが原因で、多くの生徒からの信用を失うことに。心身ともに疲弊しきったあす花は、ミスを連発。パワハラ上司から「頑張りが足りてないんじゃない?」と言われ、心が折れてしまい欠勤するようになったという。
「優しさ搾取をされてしまう人達が報われる世界になってほしい」
当時のあす花の様子について、姉の優里(木南晴夏さん)は「頼りにされてるといえば聞こえはいいけど、要はいいように使われてたんだよね」と振り返り、池谷は「頑張りや優しさを全部まわりに使い込まれちゃったんです」と話すのだった。
このエピソードを担当した脚本家の吉田恵里香さんは、放送後のツイッターで、「あす花のEPは、教師の友人達から取材した話を基にしています」と明かした上で、「実際聞いた体験談の中には、ドラマでは描けない苦しいものもありました。教師という仕事の大変さ、日々身を粉にして働いている先生方のお陰で学校は成り立っているのだなと痛感しました。教員に限らず、優しさ搾取をされてしまう人達が報われる世界になってほしいと思います」と説明。「物語を通じて 頑張りや優しさを使い込まれてしまう人の背中を、少しでも押せたらいいなと思っています」とメッセージを発信している。
今回のエピソードには、視聴者からもツイッターに、「あす花のがんばり過ぎるところ、真面目と素直の搾取がほんと辛いよ」「なんか一生懸命頑張ってる人が潰れていく、、リアルだしまじ腹立つ」「先生に限らず、仕事で鬱になるのってこういうプロセスなんだろうなぁ」などと、あす花に寄り添う声が多くあがっている。