サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会に出場している韓国代表選手らがSNSで過度の中傷を受けていると複数の地元メディアが2022年11月29日に伝えた。
グループHの韓国は11月24日の初戦でウルグアイと0-0で引き分け、28日の第2戦ではガーナに2-3の敗戦。ガーナ戦では前半に2点を失いながらも後半13分、16分にFWチョ・ギュソン(24)の連続ゴールで同点に追いついた。
グループリーグ突破へ黄色信号
韓国に追い風が吹く中、後半23分にガーナMFモハメド・クドゥス(22)に逆転ゴールを許し2-3に。1点ビハインドでアディショナルタイムに突入した韓国はパワープレーで猛攻を仕掛けるも得点ならず。勝ち点を奪えずグループリーグ突破へ黄色信号が灯った。
ガーナ戦を速報した複数の韓国メディアは、エースのソン・フンミン(30)のSNSに一部ファンから悪意あるコメントが寄せられていることを伝えた。
ソンはW杯直前に顔面を骨折し、今大会の出場が危ぶまれたがフェースガードを装着してウルグアイ戦、ガーナ戦に先発フル出場。今大会は2試合でノーゴールながらも攻撃の起点としてチャンスを演出するなど存在感を示している。
韓国メディア「ハンギョレ」(WEB版)は、ガーナ戦終了後にソンのインスタグラムに一晩中あらゆる悪意のあるコメントが投稿されたと伝えた。アジア人として初めてイングランド・プレミアリーグで得点王を獲得して国民に喜びを与えた英雄に対するものではなく、敗戦の恨みだけがあったと指摘した。
国内では代表選手に向けて唾を吐いている
同メディアによると、SNSの中傷はソンだけにとどまらずガーナ戦に出場した選手らにも及んだという。
先発出場したMFクォン・チャンフン(28)は自身だけではなく恋人まで深刻なSNS中傷被害を受けた。DFキム・ジンス(30)は家族も被害に遭い、SNSで非難、嘲笑されたという。キムはJリーグ・アルビレックス新潟でプレーした経験を持ち、現在は韓国リーグの全北現代に所属している。
同メディアは、ウルグアイと対等に戦いガーナ戦では2-2まで追いつく闘魂を発揮した選手たちをSNSで中傷することに比べると、ガーナ戦直後にピッチ上で悲しむソンに近付いて自撮りを撮ろうとしたガーナ代表スタッフの行動は「愛嬌」レベルだったと指摘した。
そして英国メディアがガーナ戦の韓国代表の戦いぶりを高く評価し、「(韓国とガーナ)両方ともに16強に上がる資格がある」と伝えたことを紹介した上で、海外からは称賛されるが、国内ではむしろ代表選手に向けて唾を吐いていると伝えた。
韓国は2試合を終え勝ち点「1」でグループ3位に付けている。トップは勝ち点「6」のポルトガルで、2位は勝ち点「2」のガーナ。初戦で韓国と引き分けたウルグアイが勝ち点「1」で最下位に沈んでいる。韓国は12月2日にグループ首位ポルトガルと対戦する。