「ジョブチューン」ロイホのパンケーキ騒動 出演シェフ「放送ではカットされましたが...」、識者「番組の設定に疑問」

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   TBS系のバラエティ番組「ジョブチューン」で、ロイヤルホストで人気のあるパンケーキについてフレンチシェフらの多くが「不合格」としたことで、ネット上で反発の声が相次いでいる。

   好きな人の気持ちを考えていないなどと、店のグーグルマップの口コミが荒らされる事態にもなっている。出演したシェフらは、「難しい番組でした」などとSNS上で打ち明けるなど困惑している様子だ。

  • ジョブチューンの公式サイト
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  • ロイホのパンケーキ(公式サイトから)
    ロイホのパンケーキ(公式サイトから)
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「古い形にこだわりすぎ」「家でも焼けるんじゃないか」

   「いや、これは難しいぞ」。出演したシェフ7人のうち1人がパンケーキを食べて、じっと見つめる。

   2022年11月26日夜放送のジョブチューンでは、ミシュランの星を獲得するなど超一流とされるフレンチシェフらが、ロイホ従業員イチ押しメニュー10品について合否判定を行った。

   うち4位に挙げたパンケーキは、3枚重ねの495円で、発売から40年経つ創業以来のロングセラー商品だ。

   「均等に焼かれていてきれい」とほめるシェフもいたが、ほとんどのシェフが食後に渋い表情をした。判定の結果、合格としたのは1人だけで、6人が不合格とした。ロイホの企画・開発担当者は、「ちょっとショックですね」と肩を落とす。不合格について、意見を聞かれたシェフらからは、「すごくケミカルな香りがする」「古い形にこだわりすぎ」「家でも焼けるんじゃないか」といった注文が続出した。ロイホの担当者は、「何でかな?」と首をひねりながらも、「自分らが少し固執しすぎたりとか、違った視点が持てなくなっていたのかなとは思ったところです。もっと美味しくなる方法を考えたいと思います」と商品の改良も口にした。

   こうしたシェフらの発言に対し、ネット上では、好きな商品にダメ出しされたなどと反発の声が相次いで書き込まれた。「そういうエンターテインメント」と理解する声もあったが、「もう少し言い方ないの?」「客をわかってねぇな」「絶対味を変えないでほしい」といった非難も多く、炎上状態になっている。

識者「ロイホと審査員で合格の基準にかい離があったのでは」

   こうした声を受けてか、出演したシェフが「難しい番組でした」とフェイスブックで明かしたほか、シェフ個人のインスタグラムが非公開になっているケースもいくつかあった。

   ネット上の非難について、出演者の1人は11月28日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように話した。

「ロイホの方も、同じ料理人ですし、お互いに刺激があってもいいと思っています。私どもも、その企業努力が勉強になります。不合格については、出演者の方々が思った通りにいい意味で言っただけですので、ネット上の口コミについてはどうかなとも思っています」

   シェフらの合否判定については、こう説明した。

「パンケーキの生地がしっかりしたシンプルなビジュアルですので、ふわっと軽さを出すなど今風にした方がいい、クオリティを上げた方がいいということで、不合格にしたんだと思います。もっと華やかに進化させてもいいということです。一方で、放送ではカットされていましたが、焼き色がきれいで、立体感もあり、昔ながらのパンケーキをブレずに出していていいとの意見もありました」

   フランス料理のシェフでつくる「日本エスコフィエ協会」の担当者は28日、取材に対し、今回不合格判定が多かった背景についてこんな見方をした。

「合格の基準について、ロイホと審査員が考えているものにかい離があったのだと思います。ロイホの方は、500円以下の値段で利益を上げることが基準なので、シンプルでオールドファッションなパンケーキを出しているのでしょう。ですから、基本を守ることが大事になります。一方、審査員は、お店をやっていますので、創意工夫して付加価値を高めた料理が基準になります。フランス料理では、クレープのようにフルーツを乗せたりして華やかにしたガレットというものがあります。そのような料理を審査員は期待したのだと思います」

   そのうえで、ジョブチューンの番組に対して、こう指摘した。

「例えば、700円で提供する料理といった条件提示をした方がよかったと思います。値段を加味して考えていなかった番組の設定がちょっと疑問ですね。凝ったパンケーキなら、1000円台後半になりますし、店によっては、2000~2500円になると思います。そもそも基準が違っていますので、判定の土台に乗っていなかったのではないでしょうか」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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