識者「ロイホと審査員で合格の基準にかい離があったのでは」
こうした声を受けてか、出演したシェフが「難しい番組でした」とフェイスブックで明かしたほか、シェフ個人のインスタグラムが非公開になっているケースもいくつかあった。
ネット上の非難について、出演者の1人は11月28日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように話した。
「ロイホの方も、同じ料理人ですし、お互いに刺激があってもいいと思っています。私どもも、その企業努力が勉強になります。不合格については、出演者の方々が思った通りにいい意味で言っただけですので、ネット上の口コミについてはどうかなとも思っています」
シェフらの合否判定については、こう説明した。
「パンケーキの生地がしっかりしたシンプルなビジュアルですので、ふわっと軽さを出すなど今風にした方がいい、クオリティを上げた方がいいということで、不合格にしたんだと思います。もっと華やかに進化させてもいいということです。一方で、放送ではカットされていましたが、焼き色がきれいで、立体感もあり、昔ながらのパンケーキをブレずに出していていいとの意見もありました」
フランス料理のシェフでつくる「日本エスコフィエ協会」の担当者は28日、取材に対し、今回不合格判定が多かった背景についてこんな見方をした。
「合格の基準について、ロイホと審査員が考えているものにかい離があったのだと思います。ロイホの方は、500円以下の値段で利益を上げることが基準なので、シンプルでオールドファッションなパンケーキを出しているのでしょう。ですから、基本を守ることが大事になります。一方、審査員は、お店をやっていますので、創意工夫して付加価値を高めた料理が基準になります。フランス料理では、クレープのようにフルーツを乗せたりして華やかにしたガレットというものがあります。そのような料理を審査員は期待したのだと思います」
そのうえで、ジョブチューンの番組に対して、こう指摘した。
「例えば、700円で提供する料理といった条件提示をした方がよかったと思います。値段を加味して考えていなかった番組の設定がちょっと疑問ですね。凝ったパンケーキなら、1000円台後半になりますし、店によっては、2000~2500円になると思います。そもそも基準が違っていますので、判定の土台に乗っていなかったのではないでしょうか」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)