東京都が職員に向け、冬の「ウォームビズ」の取り組みで始めたタートルネック着用をめぐり、ツイッターで「感覚過敏にとっては映像を見るだけで息苦しくなる」といった感想が漏れている。
2022年11月21日の報道によると、都は12月1日から23年3月31日までを節電強化期間と位置付けており、暖房に頼らない寒さ対策の一環として、小池百合子知事が都職員にタートルネック着用を呼びかけている。
「感覚過敏の私はタートルネックとか絶対無理」
都庁の様子を報じるテレビのニュースでは、職員がタートルネック姿で仕事に励む様子が放送されていた。ツイッターでは「感覚過敏の私はタートルネックとか絶対無理。都庁の職員じゃなくてよかった」「これ感覚過敏気味の人地獄なのでは。というか自分がまさにそうで、首元の圧迫感がダメでタートルネック着られないんだけど...」など、感覚過敏だというユーザーが戦々恐々としている。
J-CASTニュース編集部は感覚過敏に詳しい看護師でライターの梓川みいな氏に、これらの声が上がる理由を聞いた。
梓川氏は感覚過敏について「五感のいずれかの感覚が突出して鋭敏になっている状態」と説明。その上で、五感の中でも聴覚、嗅覚、触覚の過敏について、「他の人はあまり気にならない事が気になりすぎてしまって生活に支障をきたす」症状であると指摘した。また、梓川氏はタートルネックを恐れる人々について、「首周りに何かを付ける事に対する違和感が強くて無理だと感じる方」ということになるのではないかと述べた。
梓川氏は、タートルネック以外にも感覚過敏の人がよく避ける服があると指摘する。
「肌着の縫い目やタグが擦れて辛いという人は敢えて肌着をひっくり返して着たりしています。セーターは細かい羊毛の毛羽立ちがチクチクすると感じる人は多いかと思います。化繊の布地がゴワゴワしている感覚が素肌に高い負荷をかけて肌荒れになるためにつけられない人もいます。このような場合、肌に優しい綿100%や絹素材のものを選ばれている方も多いかと思います」
東京都環境局の広報担当者は22日、取材に対し、ウォームビズへの参加やタートルネックの着用は義務かどうかについて、どちらについても「義務ではなく、推奨です」と回答した。また、感覚過敏でタートルネック着用が難しい職員に対してはどのような服装を推奨しているかについては、「その方の体質に合わせて、ご本人が着用可能な服装で寒さ対策を推奨しています」と説明した。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)