ドイツ代表のファンが腹いせにテレビを破壊、妻子は泣いて家を飛び出した――。FIFAワールドカップカタール大会を巡るこんな悲劇的なエピソードが日本で報じられ、嘲笑の対象になっている。
しかし、発端とみられる投稿者に話を聞くと「コピーパスタ」だと明かした。
「このチームは僕の人生とパーティーを台無しにした」
FIFAワールドカップカタール大会で、日本に歴史的敗北をしたドイツ。現地ファンの失望は大きく、ドイツサッカー連盟のツイッターアカウントには、怒りをぶつけるコメントが少なくない数寄せられている。
日本のサッカーメディアは2022年11月24日、ドイツの男性サッカーファンが憤りのあまり、テレビを破壊したと報じた。この人物はツイッターで破損したテレビの写真とともにこう書きこんだという。
「試合のせいで、30人のゲストを呼んだパーティーでテレビを壊した。妻は泣いている子供たちを連れて行き、ホテルで一週間過ごすと言った。このチームは僕の人生とパーティーを台無しにした」
記事は大手ポータルサイトや大会を放送するABEMAなどに転載され、7000以上リツイートされる紹介ツイートもあった。「自業自得すぎ」「スポーツってファンも含め紳士的とは程遠いよな...」「自制心が低すぎるのでは」「こんな人いるから心の底からスポーツ好きになれない」と、嘲笑や嫌悪の的になっている。
応援チーム負けて崩壊する家庭続出
記事によれば、情報源は中国のポータルサイト「捜狐」だった。
該当するとみられる捜狐の記事を確認すると、話題のツイートはドイツサッカー連盟のアカウントに寄せられたという。投稿者の名前とともに紹介されていた。
しかし、全く同じ画像が過去に何度も出回っており、一家離散した人もたくさんいた。
例えば、NHL(北米プロアイスホッケーリーグ)ピッツバーグ・ペンギンズが11月3日、敗戦をツイッターで報告すると、リプライ(返信)欄には同じ写真と文言が書き込まれていた。NBA(全米プロバスケットボール)やMLB(米大リーグ)などプロスポーツリーグのチームアカウントに頻繁に書き込まれている。
パーティーの規模は30人から22人、45人、43人...はては70人とさまざまなようだ。
日本のメディアが取り上げた投稿者に25日、取材を申し込むと、ツイートは "ジョーク"だと明かした。
この人物はアメリカ在住で、ワールドカップでは生まれ故郷のドイツを応援しているという。アメリカではこのジョークが流行っており、「コピーパスタ」と呼ばれるという。ネットの文章や画像を複製するコピーアンドペーストに由来するネット俗語だ。ネタだったものの「多くの人が信じてしまった」と振り返った。
Ich habe gerade wegen des Spiels meinen Fernseher auf meiner Party vor 30 G?sten zertr?mmert. Meine Frau hat gerade unsere weinenden Kinder mitgenommen und gesagt, dass sie alle die Woche in einem Hotel verbringen. Dieses Team hat mein Leben und meine Party ruiniert. pic.twitter.com/OIoVNguucP
— Joey (@Hopp_Fan) November 23, 2022