週刊文春がAKB48の岡田奈々さん(25)と俳優の猪野広樹さん(30)の交際をウェブサイトで報じたことを受け、岡田さんは2022年11月23日午後、「しっかりとけじめをつける」として、グループからの卒業をツイッターで発表した。
AKB48グループのメンバーによる卒業発表は、劇場公演やコンサートなど、ファンの前で行われることが多く、SNSの個人アカウントで発表するのはきわめて異例だ。
49人中30人が劇場公演で発表
22年に入って卒業発表するメンバーは、国内の姉妹グループを含めると岡田さんが49人目で、AKB48単体ベースでは13人目。卒業発表に選んだ場所を見ると、49人のうち最も多かったのが劇場公演で30人だ。次に多かったのが、SHOWROOMやYouTubeといった動画配信で9人。グループの公式サイトや公式ブログで発表した人も6人いた。正規メンバーに昇格する前の「研究生」がグループを離れる、厳密には「活動辞退」のケースが大半だ。次に多かったのがコンサート3人、ツイッターは岡田さんのみだ。
岡田さんのツイートは、「皆様へ。」という1文に、自らの説明をつづった画像をつける形で投稿された。説明では、
「今まで応援してくださったファンの皆様を裏切るような行動をとってしまい傷つけてしまい本当にごめんなさい。幻滅させてしまいごめんなさい」
と事案を陳謝。岡田さんは17年の選抜総選挙の開票イベントのスピーチでスキャンダルや問題を起こすメンバーを非難しており、発言との整合性を問う声もあがっていた。この点についても
「こうして嘘をつくような形になってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです」
と謝罪した。一方で、17年の発言や、活動に対する姿勢をめぐる正当性も主張した。
「ただ、当時の自分の言葉に嘘は1つもありません。説得力が無いと思われても仕方ないのですがこの10年間 アイドル活動を全力で取り組んできたことは本当です。AKB48グループをスタッフさんたちをメンバーのみんなをファンの皆様を愛している気持ちは本物です」
卒業の経緯については次のように説明。運営会社から卒業を勧告されたり処分を受けたりしたのではなく、あくまでも自分の判断による卒業だという点を強調した。
「自分なりによく考えしっかりとけじめをつけることに決めました。AKB48を卒業します。スタッフさんからは卒業の必要は無いと言われましたが何度も話し合い自分で決断しました」
岡田さんの発表は
「後日また改めてお話しさせてください。ファンの皆様 メンバーのみんなこんな人間でごめんなさい」
という一節で締めくくられた。今後、何らかの形で改めて説明の機会を設けるようだ。
須藤凜々花は「スポーツ紙限定会見」で卒業発表
多くのメンバーが卒業発表の場に劇場公演を選ぶのは、劇場が「活動の原点」で、ファンとのコミュニケーションを重視するからだ。卒業を決めたメンバーは、運営会社と相談し、事前に発表の日程を決める。公演終了後、ほどなくして「卒業に関してのご報告」がグループの公式ブログに掲載される。
だが、岡田さんの状況ではこういった調整は困難だったとみられ、11月24日正午時点で、公式ブログへの記載は見当たらない。
岡田さんの事案が報じられたのは11月19日。次に岡田さんが所属する「チームA」の劇場公演が開かれるのは11月25日だ(現時点で出演メンバーに岡田さんは含まれていない)。劇場公演での発表を選んで見解の表明が遅れることを避けた可能性もある。劇場公演や動画配信では、現場のメンバーの反応やファンのコメントに応答する必要があるが、SNSであれば、必ずしもその必要はない。
岡田さんの卒業発表ツイートの3時間ほど後には「テレ東音楽祭2022冬」(テレビ東京)の出演が控えていた。出演前に一定の結論を明らかにしておくことで、沈黙に対する批判が続いたままパフォーマンスに突入することを避ける効果もあった。
岡田さんがスキャンダル批判を展開した17年6月17日の開票イベントで結婚の予定を発表したのが、NMB48の須藤凜々花さん(25=17年卒業)だ。須藤さんの卒業発表も異例で、6月21日にスポーツ紙のみを対象に開いた記者会見の中で明らかにされた。スポーツ各紙によると、須藤さんは1時間ほど取材に応じ、「批判されても、嫌われても当然のことをしてしまった」などとファンに対して陳謝する一方で、
「恋愛は自分の判断に任せられていると認識していた」
として、「恋愛禁止」は明示的なルールではなかったとの見解を示した。さらに、
「我慢できる恋愛は恋愛じゃないのではないか」
などと持論を展開した。
須藤さんも岡田さんも、事案発覚から4日後の卒業発表になった。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
皆様へ 。 pic.twitter.com/f7YALX9zIy
— 岡田 奈々 (@okadanana_1107) November 23, 2022