「ベビー用麦茶」は何が違う?
上記3社とも、製造している麦茶は「離乳食を始めた子ども」も飲めるという回答だった。一方、伊藤園以外にも生後1か月頃から飲める麦茶として「ベビー用」と表記している商品がある。一般的な麦茶とどのように異なるのか。アサヒグループ食品で「ベビーのじかん むぎ茶」を販売する和光堂と、「ベビー麦茶」を販売するピジョン(東京都中央区)に取材した。
和光堂は14日、アサヒグループ広報を通じて、まずベビー用に製造する麦茶の総称があるかについて「特に法規上の取決めはございませんので、統一表現はございません」としつつも、「日本ベビーフード協議会では『ベビー飲料』と表現されております」と回答した。
日本ベビーフード協議会とは、公式サイトなどによれば、日本国内でベビーフードを製造・販売している企業5社が運営し、「安心して赤ちゃんに召し上がっていただけるよう、ベビーフードの品質向上を目指した」活動をしている団体だ。和光堂やピジョン、江崎グリコ、キユーピー、雪印ビーンスタークの5社が運営している。
和光堂は、同社商品の赤ちゃん用麦茶が一般的な麦茶と違う点について、「日本ベビーフード協議会の定める『ベビー飲料自主規格』に準じて商品設計しております」と回答。風味は「苦味をおさえ、赤ちゃんに飲みやすく仕上げております」としている。
日本ベビーフード協議会は公式サイトに、詳細な「ベビー飲料自主規格」を掲載している。抜粋版では「カフェイン量を極力少なくしたお茶飲料」「最小限かつ限定された食品添加物の使用」などいくつかの項目でまとめている。
ピジョンも15日、ベビー用麦茶の総称について「特に決まりはございません」とした上で、同社商品名は「ベビー飲料自主規格」における(1)食品の内容を分かりやすく表現した商品名を表示する(2)「ベビー飲料」と表示すること。ただし、社名等を冠した『○○ベビー飲料』と表示してもよい――というルールに則って表記していると回答した。商品名の「ベビー麦茶」を一般名称として使うケースも多いという。
一般的な麦茶との違いについて、ピジョンの赤ちゃん用麦茶商品も「日本ベビーフード協議会の自主規格に則り、製品の企画・開発・生産をしております」としている。また同社は「乳児用規格適用食品」の基準も満たしており、その表記もあるという。