男児ら大やけどのフランベは「パフォーマンスが過ぎた」 事故のステーキ店、何が危険だった?識者に聞く

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「プラスチックボトルからお酒を噴射するのは危ない」

   しかし、現場に出動した豊見城市消防本部では、予防課長が「出動の概要については、捜査の支障になりますので、差し控えさせて下さい」と答えながらも、「火の扱い方は、不適当でよろしくないと考えています」と述べた。

   沖縄県警の豊見城署でも、「今回起きたことの詳細や原因については調査中です」としたうえで、「示談が成立せず、もし被害届が出されれば、業務上過失傷害などを念頭に、受理をして捜査を進めます」と取材に明かした。11月22日昼過ぎ現在は、被害者と店側で話をしている段階だという。

   原因については、プラスチックボトルから酒が噴出した可能性のほか、飛び跳ねた油で出火したこともありうるとして、慎重に調べているとした。プラスチックボトルを使うことが一概に危険があるとは言えないものの、アルコール度数が70~80%と高い酒はよく燃えるため、店も危険性を認識しながらパフォーマンスをしていたのではないかとしている。

   今回のことについて、ネット上では、「パフォーマンスがより過激になっていった結果では」「きちんとした安全対策を行った上でそれをするべきだ」との声が出た。フランス料理のシェフなどからは、フランベには危険もあるとしたうえで、それをしなくても香りは付くはずだとの指摘もあった。

   フランス料理のシェフでつくる「日本エスコフィエ協会」の担当者は22日、取材に対し、今回のフランベについてこう話した。

「フランベは、火を使いますので、客との距離を取る必要があるほか、お酒を注ぐ量の加減には気を付けなければいけません。普通ですと、大きめのスプーンやお玉、レードルに軽くお酒を注いで、ゆっくりと料理に落とします。直接、ビンなどで注ぎますと、火が上ってビンが割れる恐れがあります。プラスチックボトルからお酒を噴射するというのは、危ないですし、客の前でやるパフォーマンスが過ぎた感じがしますね」

   香り付けでするフランベについては、こう説明した。

「ステーキなどの肉のほか、チェリージュビレといったデザートなどで、フランス料理に伝統的にある手法ではあります。フランベをしなくても、お酒を料理に入れれば、ちゃんとした香りが出ますので、香り付けの面では変わりはありません。火が大きいと、見た人がびっくりして演出効果がありますので、どちらかと言えば、客にお見せするショーの意味合いが強いですね」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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