なぜ10回目の迎えるほどの持続的なお祭りになったのか
アニメから生まれた湯涌ぼんぼり祭りは、何故10回目を迎えられるほどの持続的なお祭りになったのか。
その理由について山下さんは、(1)初回から毎年参加するファンの割合が多く、ライフステージの変化とともに家族や子どもも参加するようになった(2)コンビニエンスストアなどの協力による北陸地方でのキャンペーン展開が、湯涌ぼんぼり祭りの認知度を広げた―― と推測する。
ぼんぼり祭り自体にも、『花咲くいろは』を知らない人でも楽しめる工夫が施されている。この祭りには街の中を歩く神迎え行列というものがあり、その行列に参加して歩くことができるなどの「参加型お祭り」になっているのだ。
また山下さんは、地域の祭りとして自立していくために「地域性」を重視した、と話す。例えば、地元の高校生がブラスバンドの演奏をしたり、地元のアマチュアの演奏家がライブをしたりするという。
しかし、参加する高校生や演奏家には、必ず『花咲くいろは』の楽曲を1曲入れることを参加条件に入れている。山下さんは「ファンの方が楽しめてそれ以外の方も楽しめる仕掛け作りを考えると、バランスの取り方は必要だったんじゃないかと思います」と説明した。
さらにアニメファン以外の人々が祭りに参加するのは、ぼんぼり祭りは『花咲くいろは』が根底にあって成り立っている祭りだとしつつも、山下さんは「お祭りそのものプラス地域力だと思っているんですね」と話す。
「湯涌の温泉であったり、景観であったり、地域住民であったりっていう複合的な要素がアニメファン以外の方でも楽しめるようになっているんじゃないかと思います」