見かけは、2階建ての古い家だが、よく見てみると...。家の中にポッカリ穴が空いた不思議な空間の写真がツイッターに投稿され、話題になっている。一体その正体とは?
この写真は、2022年11月16日にツイッターで投稿され、話題になって1万件以上の「いいね」が付けられている。
十和田市現代美術館のサテライト会場で、「空間そのものも作品」
「一瞬気付かなくて通り過ぎそうになったんですが、一度見てしまうと違和感が凄まじい。完全にバグ」
こんな感想を書いて、写真を投稿したのが、建築設計を手がける「あさぎ(@cryforthemoon_M)」さんだ。
あさぎさんは、この家を前から見たかったという。ガラスのドアを開けて空洞内に入る写真も投稿しており、「思わず断面をまじまじと観察してしまいました」と漏らした。
最初の写真投稿には、1万8000件以上の「いいね」が寄せられており、「突き抜けてる」「異世界行けそう」と驚く声が上がっている。「未来から何かが送られてきて箱型の空間がボン! と無くなったとか、そういう妄想しちゃいます」との書き込みもあった。
これに対し、あさぎさんは、この家は実は、十和田市現代美術館(青森県十和田市)のサテライト会場になっており、「この空間そのものも作品で、この部屋の中にもさらに展示作品があるという構成になってます」と紹介した。
同美術館の公式サイトなどによると、この家は、埼玉県北本市を拠点にした現代アートチーム「目[m?]」が、十和田市内の空き家を展示室へと改装した作品「space」だ。チームは、東京の空に巨大な顔アートを浮かべる「まさゆめ」の作品で話題になったことがある。
「スナックとして使用された後の空き家をアート作品にした」
作品「space」は、美術館の「インター+プレイ展」で2020年7月~22年5月まで展示されていたが、7月からは、若手アーティストらの展示会のサテライト会場として使われている。現在は、青柳菜摘さんの「亡船記」展が12月18日までの期間で開催中だ。
この展示会では、家の空洞部分にモニターを立て、青柳さんの映像作品を表示している。青柳さんは11月17日、あさぎさんの投稿をツイッターで引用して、「spaceがバズっている...!」と喜んでいた。
作品の家について、十和田市現代美術館の広報担当者は同日、J-CASTニュースの取材に、次のように説明した。
「以前は、スナックとして使用されており、1階と2階に1軒ずつありました。しばらく空き家になっていましたが、目のチームが窓ガラスなどを切断してアート作品にしたものです。1、2階の部屋には入れませんが、空洞部分のホワイトキューブが展示室になっています」
空洞部分は、転落しないよう、両側にガラス窓が張られており、階段を上ってからガラスのドアを開けて入るそうだ。
「作品であることが分かるように、キャプションの案内板を立てています。美術館から徒歩7分で行けますので、多くの場合は、お客様が移動して見られていますね。12月18日以降は、冬季休館になりますが、来春以降もアート作品の展示を予定しています。この家をいつまで使うかについては、未定です」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)