新潟駅で販売されているおにぎり「新潟県産米食べくらべセット」が注目を集めている。3種の新潟県産米で作られた塩おにぎりと別添えの海苔がセットになっており、具や漬物などおかずの類はない。米の品種による味の違いを比べることができる商品だ。
製造するサンキョーフーズ(新潟市)によれば、売り上げは好調で第2弾、第3弾も発売したいと意気込む。
「普段食べない品種のお米だったので、どれも美味しかったです」
「新潟県産米食べくらべセット」は2022年11月13日、あるツイッターユーザーの紹介をきっかけにSNSで大きな注目を集めた。それぞれ触感などに違いがあるという。この投稿には「おいしそう!」「食べ比べしたい!」と興味を持つ声や、「お米ガチ勢!?新潟流石...」などと驚く声が寄せられた。
おにぎりに用いられているのは、南魚沼産の「コシヒカリ」、やわらか触感の「ミルキークイーン」、新品種「新之助」だ。焼き海苔が5枚付属しており、値段は450円ほど。新潟駅内のコンビニ「NewDays」で販売しており、祝日と土日には新潟ふるさと村でも取り扱われている。
J-CASTニュースは、同商品を購入したという2人のユーザーに取材した。一人は、「具の入っていないおにぎりだけ」という見た目に衝撃を受け、食したという。取材に対し「普段食べない品種のお米だったので、どれも美味しかったです。食べやすさ・甘さ・モチモチ感など、若干違いがありました」と述べた。
もう一人も「全部おいしかった」として、食べ比べた感想を次のように述べる。食べ応えがあるのは大粒の新之助だったという。ミルキークイーンは甘くてみずみずしく、コシヒカリは噛み応えや甘さのバランスが程よく、万人向けの味だと感じたそうだ。
製造したサンキョーフーズは、パート含む140人ほどの従業員を抱える乾物工場で、カネタ・ツーワン(仙台市)のグループ会社だ。同社の渡辺稔さんは取材に対し、話題の食べ比べセットはJR東日本クロスステーション(東京都渋谷区)の運営するコンビニストア「NewDays」と共同開発したと明かす。
「ニューデイズ様より米処新潟の米の味を堪能して頂きたい、純粋な新潟米の食べ比べの商品が無いという事から、新潟に訪れる県外のお客様にはおかず無しでもおいしいことをアピールしたいと開発にいたりました」
また県内でも米離れが進んでいるという話を聞くそうで、改めて人々が米に関心を持ってほしいと意気込む。こうした米の品種を楽しむ商品はまだ少ないため、社内一丸となって製造に取り組んだという。
約1万1000パック売れた
新潟の米の魅力を伝えるため、あえて具なしの塩おにぎりを販売することにした。海苔を別添えにしたのは、米の味と海苔の張りを楽しんでもらうためだそうだ。塩には地元の「笹川流れの塩」を用いた。肝心な品種は次のように選んだという。
「新潟のお米の良産地、『南魚沼産コシヒカリ』、今話題の『新之助』は直ぐに決まりました。もう1品は、食感と粘りを楽しんでいただける様に低アミロース米の『ミルキークイーン』を採用しました。」
ツイッターで注目されたことについて、渡辺さんは次のように驚きを語る。
「会社の事務員さんがSNSで話題になっていると教えてもらい、見てびっくりしました。米の食べ比べに興味を持って下さる方がこんなに多くいることに大変うれしく思っています。
実際、私も試作段階でこんなにご飯の甘味、旨味、粘りが違うのかと驚いていました。これから、第2弾、第3弾と発売できればと思っております」
「新潟県米産食べくらべセット」は21年1月に発売され、10月までに約1万1000パック売れたという。渡辺さんは「自宅には釜が1つしかないので1種ずつしか食べられませんが、同時に食べ比べることでより品種の違いを楽しめると思います」と話した。
(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)