官房長官は1か月前の首相答弁をなぞる
それからまもなく3年。22年11月16日の衆院内閣委で、立憲の太栄志衆院議員が「ずっと検討ばかりで結局どういった状況になったのか、進展があるのかどうか」と確認したのに対して、松野博一官房長官が答弁したのは、やはり「検討」だった。
「核攻撃等の、より過酷な攻撃を想定した施設については、北朝鮮の情勢等を鑑みれば、現実的に対策を講じていく必要があるとの問題意識を持っており、一定期間滞在可能な施設とする場合に必要な機能や課題について検討を進めているところだ。今後については、こうした設備に求められる仕様や設備に要求される性能等について、様々な視点から調査および検討を行うことを考えており、引き続きしっかりと取り組んでいきたい」
松野氏の答弁は、1か月以上前の岸田氏の答弁と、ほとんど同じ内容だ。10月17日の衆院予算委で、立憲の岡田克也幹事長が
「もちろん限界はあると思うが、中枢の機能はきちんと維持されるようにしなければならないと思う」
などと核シェルターの必要性を指摘。年末に予定される国家安全保障戦略の改定作業の中でも議論すべきだとした。岸田氏は
「北朝鮮の情勢等を鑑みれば、これは現実的に対策を講じていく必要があるという問題意識を持っている。諸外国の調査を行うなどして、必要な機能や課題について検討を進めているところだ」
「新たな国家安全保障戦略等の策定に当たっても 避難施設の確保を含む 国民保護のあり方、これは議論しなければいけない重要な課題であると認識している」
などと答弁していた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)