プロ野球横浜ベイスターズ、日本ハムで活躍した野球解説者の高木豊氏(64)が2022年11月15日にユーチューブチャンネルを更新し、中日と楽天の間で成立した交換トレードに言及した。
「中日は内野手が不足している」
中日、楽天両球団は11月15日に中日・阿部寿樹内野手(32)と楽天・涌井秀章投手(36)の交換トレードが成立したことを発表した。
岩手県出身の阿部は明大、社会人野球を経て15年ドラフト5位で中日に入団。中日では「マスター」の愛称で親しまれ、7年間プレーして通算打率.261、35本塁打、203打点の数字を残した。
一方の涌井は名門・横浜高から04年ドラフト1位で西武に入団。13年オフにロッテに移籍し、19年オフに金銭トレードで楽天に移籍した。過去には沢村賞、最多勝利、ゴールデングラブ賞など数々のタイトルを獲得し、通算で154勝をマークしている。
高木氏は冒頭で「中日は阿部を出して大丈夫かなという不安がある」と率直に語り、その理由について説明した。
「外野手登録の選手はたくさんいるけど内野手が不足している。今年のドラフトで3人くらい内野手を取っているが、それがすぐに使えるとは思えない。日本人の野手で阿部が今年一番活躍したし勝負強かった。32歳の脂が乗りきっている一番良いときに阿部を出すというのは大丈夫かというちょっとした不安がある」
「一番勝負所で働いたのは阿部」
さらに「今年活躍した選手で非常に成長を見せた岡林(勇希)。それと日本人野手では大島も頑張ったが、一番勝負所で働いたのは阿部。涌井も良いピッチャーだけど中日はピッチャーがいると思っているから(阿部を)出して大丈夫なのかなという。内野手をドラフトで取ったけれども阿部は完全に計算ができる選手だから。出して大丈夫かという不安ばかりが募る」との持論を展開した。
涌井については粘り強いピッチングとコントロールの良さを高く評価。他球団と比べて広いバンテリンドームを本拠地とする中日に移籍したことで長所が生きて活躍が見込めると指摘した。
その一方で「(中日は)良い選手を取ったなと思うが、出ていく選手が阿部じゃなくても良かったんじゃないかなと」とし、「阿部本人も意外だったと思う。望んでのトレードではないと思う」と私見を述べた。
スポーツ紙などの報道によると、楽天の石井一久GM兼監督(49)は今回の交換トレードは中日サイドから話があったことを明かした。
高木氏は立浪和義監督(53)の意向を独自の視点で分析。「立浪監督の中ではチームを変えていこうと。積極的に若手を使っていくと。(阿部が)いるとどうしても頼ってしまうからとにかく出しちゃえと。出して若手に枠を空けてどんどん起用して成長、経験させる。そういった腹が決まっているのなら仕方ないと思う」と語った。