巨人退団ウィーラーは「大きな戦力」 元楽天監督が獲得期待するセ球団「まとめ役が見当たらない」

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   プロ野球元楽天の監督で野球解説者の田尾安志氏(68)が2022年11月14日にユーチューブチャンネルを更新し、巨人を自由契約となったゼラス・ウィーラー内野手(35)に言及した。

  • ウィーラー選手(写真:AP/アフロ)
    ウィーラー選手(写真:AP/アフロ)
  • ウィーラー選手(写真:AP/アフロ)

「ウィーラーはすごく素直で人の話を聞く耳を持っている」

   ウィーラーは巨人移籍3年目の今季、新外国人グレゴリー・ポランコ外野手(31)、アダム・ウォーカー外野手(31)の加入により出場機会が激減。出場は30試合に留まり、打率.196、2本塁打、5打点に終わり、11月8日に自由契約選手として公示された。

   ウィーラーは大リーグのヤンキースから15年に楽天に移籍し5年間プレーした。20年6月に交換トレードで巨人移籍。21年は121試合に出場し打率.289、15本塁打、56打点をマーク。日本で8年間プレーし通算打率.263、135本塁打、442打点の数字を残している。

   田尾氏は自由契約の身となったウィーラーについて「僕から見るとやれるのではないかということで、このまま日本のプロ野球界から離れるのは非常に寂しい。楽天時代から彼とは話をしていまして、すごく素直で人の話を聞く耳を持っている。正しい正しくないを判断できる。そういういいものをいっぱい持っている」と人柄を称賛した。

   ウィーラーを獲得するにあたってマイナスとなる材料にも言及。来年1月で36歳となる年齢、今季の成績、外国人枠の問題、そして8年間日本でプレーしていることで新鮮味に欠ける点などを挙げた。

「明るさをチームにもたらしてくれる選手はすごい戦力」

   ただ田尾氏はこれらのマイナス材料を一掃するプラス材料を持っていると指摘した。

   「まず色々なところを守れる。1塁、3塁、外野。どこでも守れます」とし、「とにかくチームのために頑張る。この精神が素晴らしい。そしてムードメーカー。明るさをチームにもたらしてくれる選手はすごい戦力だと思う。プレーをしなくてもこういうムードメーカーがひとりいてくれればそれだけでひとつ大きな戦力だと言っていいと思います」との見解を示した。

   さらに「もうひとつ忘れてはいけない彼の好材料。もし来シーズン1軍で活躍すれば再来年はFA(フリーエージェント)獲得になって日本人選手扱いという形になるので外国人枠から外される。そういう良さもありますね。彼が元気かどうかというのが大きなポイントになりますが、まだまだやれる人ではないかという気がしています」と続けた。

   ウィーラーの移籍先を独自に分析した結果、「新監督になった時に他球団でやっていた人を呼ぶというのは躊躇するのではないか」との理由で西武、ロッテ、阪神、広島の4球団を除外した。古巣・巨人、楽天は対象外として残るセ・パ6球団の中からウィーラーが適合しそうな球団をピックアップした。

「パ・リーグでは新庄監督のいる日本ハムファイターズ。ここは可能性があると思います。今年の外国人もかなりお金を使ったのですがうまく機能しなかった。お金を使う意欲のあるチームなのでウィーラーは今度年俸が下がります。この辺はひとつメリットですね。安い給料で取れる。そういう中で考えればファイターズはウィーラーを取ってもいいのではないかという気がします」

「ドラゴンズはあまりお金を使えない」

   そしてセ・リーグ球団では中日を挙げ、12球団の中で最も適していると指摘した。

「中日ドラゴンズが一番この12球団の中でウィーラーが合うチームではないのかなと思う。今、若い選手が育ってきました。福留孝介というベテラン選手が退団しました。その中でまとめ役。京田(陽太)選手は今年ほとんどゲームに使ってもらえないという状況の中でまとめ役という人があまり見当たらない。高橋周平もそういうタイプではない。そういう風に考えるとウィーラーを取ればどうなのかなと」

   中日OBでもある田尾氏は「ドラゴンズの関係者にお聞きするとどうしてもお金をあまり使えない」と球団の現状を明かし、「ウィーラーであればそんなに高いお金を使わなくても獲得できると思います。そう考えるとウィーラーがドラゴンズに加わることに何の支障もないと思ってしまいます。どこでも守れますし。サード、外野。現実的にウィーラーを取るのではないか、取ってもらいたい」と獲得を熱望した。

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