福井県を拠点に活動しているアイドルユニット「せのしすたぁ」のまおさんが、大阪市内の歩道でマネキンのような格好をした男性にドッキリを仕掛けられ、転倒し頭を打ってケガをしたと、ツイッターで訴えた。
ドッキリは、男性が突然現れ、「ワッ!」と声を上げて驚かせるものだった。身体を押されるようなことはなかったというものの、危険な行為だとして、大阪府警にも被害届を出したという。まおさん本人に取材して、詳しく話を聞いた。
「謝罪も無く、逃げられたことが悲しいです」
出血で赤くにじむ右ひじを示し、まおさんは、悲しそうな表情だ。
被害については、自らのツイッターで2022年11月11日にこの写真とともに報告した。
それによると、この日13時40分ごろ、大阪・西心斎橋のファッションエリア「アメリカ村」内にある御津公園(三角公園)から御堂筋通り方向へ歩道を歩いていて、ショッピングモール「心斎橋ビッグステップ」の前を通りがかったところで被害に遭った。
マネキンのような格好をした男性が突然、目の前に現れたため、まおさんは、びっくりして転倒し、頭や右ひじを打った。まおさんがその場でパニックになって泣いていると、どこかに逃げて行ったという。歩道の前方には、この様子をビデオカメラに撮っていた仲間とみられる人もいたとした。
まおさんは、「謝罪も無く、逃げられたことが悲しいです」として、男性らについての情報提供を呼びかけている。近くの交番に行った後、病院で診断書をもらい、警察に被害届を出しに行くともした。
せのしすたぁの公式ツイッターも11日、まおさんの投稿を引用して、「絶対許せません」と訴えた。ユニットが出るこの日のイベントが中止になったと報告し、翌12日には、所属事務所「ショーケース」(福井市)のアイドル部門マネージャーの名前で、まおさん同様に情報提供を求める投稿をした。そこでは、転倒時に頭を強く打って一時意識もうろうとなり、まおさんは、大事を取って、翌12、13日のイベントも辞退せざるをえなくなり、自宅で静養していると明かした。
「通行人に仕掛けて、安全なんてことはありうるのか」
まおさんの投稿に対し、ファンらから体調を気遣う声が出るとともに、突然現れた男性らが何をしようとしたのか推測も行われた。
その中には、今回の被害との関係は不明だが、「マネキンドッキリ」と称して通行人に仕掛ける動画を投稿していたユーチューバーが何人かいるとの指摘もあった。それらの動画を見ると、ユーチューバーが様々なキャラに扮して通行人を驚かせる様子が映っていた。中には、安全には配慮しているとうたうケースもあった。
まおさんは11月14日、J-CASTニュースの取材に応じ、当時の状況について語った。
それによると、まおさんが翌日のイベントで使うものを買いに行こうと1人で歩道を歩いていると、顔から全身黒タイツに黒っぽい服を着て、青のサングラスのようなものをかけた男性が、左からいきなり出て来て、「ワッ!」と声をかけた。男性は、店の側面の壁に隠れていたという。まおさんは、右に避けようとして転倒してしまったとした。現時点では、しびれなどはないものの、頭を強打したため、整形外科から2週間は安静にしてほしいと言われたという。
「リプライなどの情報を元に、マネキンドッキリで調べると、ユーチューブやTikTokで同じことをしている人がいました。身内だけで遊ぶならともかく、通行人に仕掛けて、安全なんてことはありうるのかと疑問を感じました。危ないですし、何かあったらどうするのですか?相手の方も逃げずにその場で話し合うことができたら、こんなことにはなっていません。面白半分でドッキリを仕掛けるようなことは、なくなってほしいと思っています」
まおさんが被害届を出したとした大阪府警の南署は14日、「個人情報になりますので、被害届を受理したかなどは、お答えできません」と取材に答えた。
そのうえで、一般論として、ドッキリと転倒の間に因果関係がある場合は刑法に問われる余地があると説明した。故意があると判断されたときは、暴行や傷害の罪に問われ、そうでないときは、業務上などの過失傷害が考えられるとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)