電車事故で生死さまよい手足3本失った僕が、御巣鷹山に登って高まった「安全への意識」

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登山経て高まった「安全に対する意識」

   僕自身、右手と両足がなくなった原因が事故だったので、事故というものにすごく敏感です。御巣鷹山の登山には特別な意味合いを感じていました。

   実際に現場の山を登って感じるものは多かったです。520人の方が事故で突然命を落とした。ご遺族も人生が変わった方が多いと思います。全く違う事故だけど、僕も20歳で事故に遭い、人生が変わった身として、何とも言えず居たたまれない心境になりました。命の重みを感じました。

   僕は電車にひかれ、生死の境をさまよいました。救助が1時間遅れていたら、出血多量で死んでいたかもしれませんでした。突然命を落としていたかもしれない。いろんな人の力で奇跡的に生かされたんだということを改めて感じました。

   御巣鷹山登山を経て高まったのは「安全に対する意識」でした。安全について考えるべき場面は、日常生活の中にいくつもあります。自分についても、大切な人についても、身の回りの安全に対する意識を高めたいと思いました。

   飛行機や電車、車といった乗り物の安全はもちろん、自然災害に備えることも安全を考えることに繋がると思います。それに僕の場合は手足が3本ないので、身の危険がある場面は多いです。日常生活レベルでいえば坂道、階段、雨で濡れただけの路面でも慎重になります。

   それでも慣れてしまうと、生活の中で意識して安全について考えることはあまりなくなっていきます。今回、墜落事故の現場へ行き、お亡くなりになった方がいるという事実に直面したことで、安全や命の重みを考える大きな機会になりました。僕自身、事故に遭った経験があるからこそ強く思います。

(構成:J-CASTニュース編集部 青木正典)

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