「今年は何かが起こるかもしれない」予感した開幕戦勝利
チームが強くなり、必然的に勝利を喜ぶ描写が増えていったバファローズポンタ。柴田さんは「どうすれば、ポンタがいつもより喜んでいるように見えるかを考えて投稿するようになった気がします」とする一方で「特にアカウントの運用方針などは変えておらず、あくまでチームに寄り添い、応援する立場としてフラットに向き合ってきました」と話す。
そんな柴田さんが「変化」を実感したのは、22年3月25日の西武との開幕戦。実はオリックス、12年からリーグタイとなる開幕戦10連敗を記録していた。リーグ優勝を果たした21年も、エース・山本由伸投手を開幕投手に抜擢しながら、西武に3-4で敗戦していた。
前年と同じカード、そして同じ先発投手となった(オリックスは山本投手、西武は高橋光成投手)今年は、山本投手が西武打線を抑え6-0の完封勝利。不名誉な記録を止めた試合後、「ようやく勝ったぁぁ」と、バファローズポンタ一家が勝利を喜ぶイラストが投稿された。
「2016年に我々がスポンサーとなってから、開幕戦はポンタが悲しむイラストばかり出していました。今年初めて開幕戦に勝ったことで、『いつもと違う』『今年は何かが起こるかもしれない』と思いました」
4月10日にはロッテ・佐々木朗希投手にプロ野球28年ぶりの完全試合を許すなど、好調とは言えない序盤戦だったが、その後は粘り強く上位争いに密着。最終戦でソフトバンクをかわして逆転優勝を決めると、日本シリーズでは前年苦杯を舐めたヤクルト相手に雪辱を果たし、26年ぶりの日本一を成し遂げた。
チームの躍進を受け、21年5月から22年10月にかけてアカウントのフォロワー数は3万人以上増えた。柴田さんも「去年から『昨日は勝ったね』『おめでとう』などと、社内の人間から声をかけられる機会が増えました」と話す。
ファンの反応も、以前とは異なっているという。
「以前は他球団のファン方から『もっと元気出してね』と励ましの声をいただく機会が多かったですが、今は勝利に共感するバファローズファンからの反応やリプライが多くなったと思います。他球団のファンの方からも『おめでとう』『今日は負けたけど次は負けないよ』と、ポジティブな反応をいただけるようになりました」
19年オフには「日本一という最高の白星」を願い、真ん中に「☆」を入れた表記に変更したが、今年ついにその悲願が達成された。バファローズポンタはこれから、どこへ向かうのだろうか。
「来季について具体的には決まっていませんので、バファローズ☆ポンタと相談します」
(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)