円安などの影響で値上げが相次ぐ食料品。消費者としては受け入れざるを得ないが、価格は据え置いて内容量を減らす「シュリンクフレーション」(ステルス値上げ)など、場合によってはメーカーに批判が向くことがある。
ネスレ日本のスティックコーヒーシリーズも、一部で反発を招いている。従来の30本から26本入りに変更したばかりか、欺瞞的にお得感を演出している――といった指摘が出ている。
仕方ない?それともせこい?
ネスレ日本が2013年から販売しているスティックコーヒーシリーズ「ネスカフェ エクセラ ふわラテ」。これまで30本入りだったが、最近になって26本に変更となった。
メーカーによる内容量の見直し自体は珍しくないが、リニューアル品の販促方法に疑問の声が上がった。元々30本入りだったにもかかわらず、パッケージで「26本入り+4本増量!」と訴求したためで、めざとい購入者がツイッターで問題提起すると3000以上リツイートされた。
「商売ってそんなもんでしょ」「仕方ないな...」と理解を示す反応がある一方、「お得感詐欺」「減らしといてちょっと増やしてそこをアピールするの。むちゃくちゃせこい」「将来的に増量期間は終了しましたって言って内容量減らす手法だよ」と辛辣な意見が少なくない。
買い得だと購入したものの、これまでの本数を知って落胆したという人もいた。そのほか、「小賢しいステルスじゃなくて堂々と値上げすればいいのに」との提案もあった。
ネスレ日本の見解は
ネスレ日本メディアリレーションズ室は11月11日、J-CASTニュースの取材に、標準本数を26本に変更し、パッケージで増量をうたい始めたのは10月頃からだと説明する。
削減の背景には、商品を取り巻く苦しい事情がある。
「コーヒー豆、コーンシロップ、植物油脂、全粉乳などの飲料製品の原材料、ならびに、部品素材などのコーヒーメーカーの原材料の価格の上昇が続いています。さらに円安の進行も続いており、ネスレ日本では、日頃からコスト削減に取り組み、対応してまいりましたが、企業努力で吸収することが困難な状況であるため、標準本数を変更することにいたしました」
4本増量キャンペーンは期間限定だという。在庫がなくなり次第、"通常"の26本入りに切り替わっていく。増量の狙いは、「ふわラテ」シリーズの新商品発売および一部刷新のタイミングで、多くの消費者に試してもらうためだ。
「ふわラテ」シリーズは、「ふわラテ」「ふわラテまったり深い味」「ふわラテハーフ&ハーフ」「ふわラテおいしいノンスイート」の4種類あり、9月から新たに「ふわラテまろやかミルク」が加わった。「ふわラテ」はリニューアルされ、ミルク感を強化した。
消費者からのSNSでの反応には「消費者の皆様のお声は真摯に受け止めつつ、今後も消費者の皆様に喜んでいただけると製品づくりを行ってまいります」としている。