2023年3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する韓国が準備不足に陥っていると地元メディアが報じた。
1次ラウンドで韓国が属するプールBは日本、オーストラリア、中国、チェコ共和国で構成され、23年3月9日から東京ドームで試合が行われる。開幕まで4か月を切る中、スポーツメディア「スポーツ朝鮮」(WEB版)は22年11月10日に「日本はすでにWBC公認球で練習、韓国代表チームは本当に大丈夫か?」などのタイトルで記事を公開した。
日本は強化試合4連勝
同メディアは大会に向けての準備段階において「日本と韓国の温度差が深刻だ」とし、宿命のライバル日本は「すでに実質的な準備ができている」と指摘。WBC日本代表の栗山英樹監督(61)は韓国リーグのポストシーズンの期間中に訪韓し、2日にわたって試合を観戦したと伝えた。
そして日本が国内組を招集して強化試合を行い、強力な投手陣を擁する日本がオーストラリア代表に完勝したことにも言及した。
日本は10日までにプロ野球の日ハム、巨人、オーストラリア代表を相手に計4試合の強化試合を行い全勝した。9日のオーストラリア戦では先発の今永昇太投手(DeNA、29)が4回10奪三振。2番手・戸郷翔征(巨人、22)も快投し4回7奪三振。試合は8-1で日本が勝利した。
同メディアはWBCの準備が遅れているひとつの要因に「監督問題」を挙げた。韓国は日本と異なり代表監督が専任ではなく国内リーグの監督が代表監督を務めている。KTウィズの李強喆監督(イ・ガンチョル、56)が代表監督を兼任しており、今季KTウィズが準プレーオフに進出したため最終戦となった10月22日まで代表チームに気を配ることができなかったという。
このような状況の中で11月11日から韓国で予定していた「MLBワールドツアー コリアシリーズ」が中止となり、強化試合のチャンスを逸した。コリアシリーズは釜山、ソウルで3試合を予定していたが、韓国野球委員会(KBO)は10月29日に主催者との契約履行問題などを理由に中止を発表した。
記事ではKBOは人気が低迷している野球を国際大会で盛り上げるという意思を持っているが、今の準備状況では目標を達成できるかは疑問だと指摘。そして「MLBワールドツアー コリアシリーズ」の中止後、追加の強化試合の計画を立てていないのが残念だと締めくくっている。