「基本の作り方は同じだが、味の種類や配合の点で2社が違う」
「戦時中の企業整備令によって、1944年に廃業した後、当時の社長の息子が翌45年にドロップスの製造を再開しました。48年には、サクマドロップスの名前を付け、翌49年には、サクマ製菓としてスタートしています」
サクマ式との違いについては、こう説明した。
「サクマ式という基本の作り方は、今に至るまで創業のときと同じです。しかし、味の種類や配合といった点で2社が違っています。サクマ式もサクマも、8種類の味がありますが、チョコレート、グレープの味があるサクマ式に対し、サクマはメロン、スモモの味にしています。それ以外は、味の種類は同じですが、配合方法によって風味が違うかもしれません。どちらも果汁入りですが、サクマの特徴としては、フルーツや素材の美味しさを意識しています。フルーツの香りが楽しめるということですね。果汁の種類が違ったり、製法、釜や機械が違ったりすることも影響していると思います」
佐久間製菓と同様な困難があるかについては、こう明かした。
「基本的な問題の構造は、お菓子業界全体で確かにあります。私どもは、歴史を大切にしながらも、『いちごみるく』など新しいキャンディをたくさん作っていますので、経営的には問題ないと考えています。サクマドロップスは、全体の半分も占めておらず、いちごみるくと2本柱になっています。チョコレートキャンディのチャオも人気ですね。また、ソフトクリームの上にいちごみるくを砕いて入れたりするなど、食べ方や用途を変えて、幅を広げるようにしています」
佐久間製菓の廃業報道については、次のように話した。
「同じ業界でキャンディを作っている会社として、対岸の火事ではありませんね。創業が同じ会社が1つなくなるというのは、とても寂しいことです。佐久間製菓さんとは、商談や展示会でご一緒することもあり、他のメーカーと同じようなお付き合いをしていました。その製品を引き継ぐということは、社内から聞こえてきませんが、伝統は守り続けて製品化を続けたいと考えています。お客様から誤認されるのがとても心配で、うちは元気ですよとお伝えしたいですね」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)