高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
救済新法の会期内成立は至難の業...岸田政権は「野党案の一部取り込み」に踏み切るか

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会期内の提出・成立は至難の業...ポイントは

   新法を内閣提出法案(閣法)として出すともいっているが、事務的には内閣法制局審査の時間などを考えると、12月10日まで残り約1カ月の会期内に提出し成立させるのは至難の業だ。となると、政治的に解決するしかないが、与党は、野党案を無理と批判してきたので、野党案の丸呑みはなかなか難しい。

   といって、野党案をある程度取り込まないと、国会運営もできなくなる。

   ポイントは、岸田首相がいう「悪質な献金」を規制するという点だ。野党案では、高額献金は被害者の家族も取り消し請求できる。この取り消しは裁判所が実際には関わるので、実効性や法的問題回避にもなる。この規定を生かして、野党案の一部を取り込むのが手っ取り早いのではないだろうか。というか、事務手続きと政治プロセスを考えると、他の選択肢はあまりない。

   国会会期も残り少ないので、かなり難しい舵取りが岸田政権に求められている。支持率も低下しているので対応を間違えると、政局になるかもしれない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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