双子ベビーカーでバスに乗車できなかったとブログなどで訴えた元バレーボール日本代表・大山加奈さんが2022年11月8日、ツイッターで励ましのメッセージをもらったことへの感謝をつづった。
「悲しくて悔しくて...乗客の女性の優しさが沁みて...」
発端となったのは、大山さんが7日にブログやインスタグラムに公開した体験談だ。
投稿によると、バス停で都営バスが来るのを待ち、後ろのドアから乗り込もうとしたところ、ドアを開けてもらえずにバスは走り去ってしまった。大山さんが悲しんでいると、一緒に並んでいた人が「次は、私が運転手さんに言いますから」と声をかけてきたといい、今度来たバスはドアを開けてくれた。
歩道の段差とバスのステップまで大きな溝があり、立ち往生してしまった。しかし、運転手はスルーして手伝ってくれなかったという。乗客の高齢者女性が手伝おうとしてくれたが、重いからと大山さん自身で何とかベビーカーごと持ち上げてバスに乗り込んだ。
目的地に到着した後も、歩道の段差があったが運転手は手伝ってくれなかったという。先の高齢者女性が手を差し伸べてくれて、大山さんは、何とかバスを降りることができた。
大山さんは「悲しくて悔しくて...乗客の女性の優しさが沁みて...色々な感情が込み上げてきて涙腺崩壊...」「迷惑な存在だと思われたことがやはりとても悲しくて...あのバスが走り去る光景思い出すとまた涙が出て来ます...」などと、切ない胸中をつづっていた。
「大山加奈さん 心は共にあります。つらかったですね」
大山さんの元には、乳幼児を連れての外出の大変さに寄り添う声や、見通しの甘さを指摘する声などさまざまな意見が寄せられている。
8日にはインスタグラムのストーリーで、「手伝ってもらう前提で行動するなという声が多数きていて... それ以外にも心ないコメントに心がやられそうで SNS開くのも勇気がいる状況ですが...」と、批判の声が多数来ていることを明かしていた。
「来週、ふたご飛行機デビューの予定だったけど 自信なくなっちゃったな... みんな迷惑だと思ってるんじゃないかって 外出するのさえ怖くなる...」と、外出に関しプレッシャーを感じているとしていた。
一方、大山さんに励ましのメッセージを送る人も多くいる。
大山さんと同じく双子の母であり、双子の育児漫画「MIRACLE TWINS」を執筆している南家真紀子さんは8日、「大山加奈さん 心は共にあります。つらかったですね。10年以上前の記憶を思い出して描くのですら心が張り裂けそうになるようなつらい傷なんです。もうこんな思いを誰にもして欲しくない」とツイートした。
南家さんは2021年10月に、「双子ベビーカーでバスに乗りたかった」とする経験を漫画にしていた。南家さんも乳幼児だった双子を連れてバスに乗ろうとしたことがあったが、運転手に乗車を渋られたように感じ、ひどく傷ついたという。
大山さんは南家さんの投稿を受け、泣き顔の絵文字を添え「ありがとうございます」と感謝を伝えた。
大山さんの訴えをめぐっては、7日にも、子育て支援などを行う認定NPO法人フローレンスの市倉加寿代氏が、双子用ベビーカーの都バス乗車は認められているとして、「公式なルールを守って乗ろうとした方が拒否され、嘆きを批判されるのは、おかしいでしょう」と投稿。こちらにも、大山さんは涙の絵文字付きで感謝のリプライを送っている。