「ユーチューブはノンストップの詐欺広告のようだ」
同様の被害は、世界各国で頻発している。マスク氏の無関係の動画を流用して箔をつけ、仮想通貨を詐取する狙いとみられる。
9月には、韓国政府のユーチューブチャンネルがハッキングされた。聯合ニュースによれば、関係者の話としてアカウントの ID とパスワードが盗まれた疑いがあると伝えている。
そのほか、7月には英陸軍が、11月には米の人気ゲーム「ヴァロラント」も標的になった。
この問題への言及かは不明だが、当のマスク氏は6月8日、「ユーチューブはノンストップの詐欺広告のようだ」とツイート。翌日にBBCは「ユーチューブは、マスク氏を使ったビットコインの詐欺ストリーミング配信に対処せず非難されている」と報じた。
グーグル脅威分析グループの21年10月のブログでは、アカウント乗っ取りの手法にフィッシング攻撃を挙げる。
ユーチューバーは、自身のメールアドレスを公開している場合が少なくない。ロシア語圏のフォーラムで募集されたハッカーグループの手口は、既存の企業になりすましてビジネスメールを送り、マルウェア(悪意のあるプログラム)を仕込んだURLを通じてパスワードなどを盗み取る。
乗っ取ったアカウントは"転売"されるケースもあるが、「多くのチャンネルが仮想通貨詐欺のライブストリーミング用にブランド変更されていました。チャンネル名、プロフィール画像、コンテンツはすべて暗号通貨のブランドに置き換えられ、大手ハイテク企業や仮想通貨交換会社になりすまされていました。攻撃者は、最初の寄付と引き換えに仮想通貨のプレゼントを約束するビデオをライブ配信していました」(グーグル脅威分析グループ)。
グーグルでは様々な対策を講じているとし、セキュリティの強化方法や被害を受けた際の対処をヘルプページで案内している。