2022年10月期ドラマ「君の花になる」(TBS系)で主演を務める俳優・本田翼さん(30)の演技が、ネット上で注目を集めている。
ドラマは10月18日放送開始で、本田さん演じる元高校教師の主人公・仲町あす花が、鳴かず飛ばずの男性アイドルグループが暮らす寮の寮母となってメンバーの心の支えとして奮闘する姿を描く。
「演技下手」がトレンド入り
第1回の放送直後からその翌日となる19日朝にかけて、ツイッターのトレンドに、「本田翼の演技」「演技下手」が浮上した。本田さんの演技に関する言及が視聴者から相次いだことが理由とみられる。
もちろん、本田さんの演技を好意的に捉える声もあったが、「演技下手」というワードがトレンド入りしたことを考えると、厳しい意見も相当数出ていたようだ。
本田さんの演技力が注目を集めるのは、これが初めてではない。
例えば、出演作「ラジエーションハウス2」の放送期間中の21年12月には、デイリー新潮が「本田翼は本当に『演技が下手』なのか 「ラジエーションハウス」続編の酷評と意外な強み」と題したコラムを掲載。視聴者から本田さんに厳しい声が出ているとして、その演技を論評している。
こうした過去作品への反応や、今回の「君の花になる」放送後の反響のように、本田さんの演技が視聴者の間で賛否を呼ぶ理由について、J-CASTニュースはドラマ、演劇、映画に詳しいライターの木俣冬氏に分析を依頼した。
「本田翼さん自体が、唯一無二のキャラのようで...」
木俣氏は、「君の花になる」での本田さんの演技について、次のように話す。
「第1回と第2回を見た限り、それほど『下手』とは感じませんでした。むしろ、一般的なうまい芝居に見えない身振り口ぶりが魅力なのだと思います」
その上で木俣氏は、放送後のトレンドが表すように、本田さんの演技に不満を呈する人がいることについて、以下のように分析する。
「例えば、どんな役にもなりきる幅広さ、セリフを朗々と明晰に語ることができる技術力、喜怒哀楽の表現が迫真、まるでドキュメンタリーを見ているような生々しさ、というようなことは確かにないとは思います」
続けて、本田さんには良くも悪く強いキャラクター性を感じるとして、
「本田翼さん自体が、唯一無二のキャラのようであり、何か別の人物を演じているように見えない。それが演技していない=『下手』に感じてしまうのではないでしょうか」
との見解を示した。
一方で木俣氏は、そうした特性があるという本田さんの演技がハマった例として、TBS「安堂ロイド(〜A.I. knows LOVE?〜)」のアンドロイド・サプリ役、独特な世界観で話題になったNHKの「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」シリーズの警察犬係・柿崎ユキナ役を挙げていた。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)