「子供たちの一瞬一瞬を大切に記憶に残しておいて良かった」
小野さんのスケッチは、もらったプリントの裏だったり、どこかに挟まってしまったりして行方不明になってしまったものも多いという。娘が手元に残ったわずかな絵を発見し、久々に思い出したそうだ。
「娘が高校を卒業して4年経ちますので、そのことはすっかり忘れていましたが絵を観るとその時の記憶が面白いほど蘇ってきました。描くためにはしっかり観察して描かないといけないのでその時の子供たちの動きや気配や音まで、脳内で動画を再生するように思い出されます」
学校で写真が禁じられていなければ、ここまで注意してに様子を観察できていなかったかもしれないとして「あっという間に大きくなる子供たちの一瞬一瞬を大切に記憶に残しておいて良かった」と振り返った。
娘は、ツイッターでスケッチを紹介した後「お母さんの絵、Twitterにアップしたよ」と報告してきたという。小野さんは「あまり私との関係を他の人に言いたがらない子なのに珍しいな」と振り返る。
小野さんによれば、親子仲は「とても良い」と考えているという。娘は現在、美術大学に通っており、水彩画家である小野さんにアドバイスを求めてくることもあるそうだ。
「娘は絵は好きでしたが高校2年で進学を考えたときに美大に行くことを視野に入れたようです。私自身、両親が高校の美術教員でしたので、むしろ進路はあまり強制したくないとの思いがあり、本人の希望に任せましたが、今は絵描きになりたいようです」