サッカーのフランスリーグ1部オリンピック・マルセイユに所属するDFシャンセル・ムベンバ(28)に向けられたSNS投稿が波紋を広げている。
ムベンバは2022年11月2日(現地1日)に行われた欧州チャンピオンズリーグ(CL)のトッテナム・ホットスパー戦に出場し、韓国代表FW孫興民(ソン・フンミン、30)と衝突。孫は左目周辺を骨折し、韓国メディアは近日中に孫が手術を受ける予定だと伝えた。
W杯出場可否は手術後の経過次第
ムベンバと孫が衝突したのは前半だった。空中でのボールの奪い合いで、ムベンバの肩に孫の左顔面が激突して転倒。衝突後、孫は途中退場した。11月にワールドカップ(W杯)カタール大会を控えてのエースの負傷。韓国メディアによると、W杯出場に関しては手術後の経過を見て判断するという。
試合後、ムベンバのインスタグラムには韓国語や英語の投稿が数千件寄せられた。
ムベンバのプレーに対して韓国語で「孫興民に謝罪しろ」「まだ謝罪文を投稿しないのか」「スキルが足りないならもっと学べ」「彼は罰せられるべきだ」などと非難するコメントが寄せられ、中には人種差別的なコメントも見られた。
一方ではムベンバを気遣う韓国語の投稿もあった。韓国語での批判が殺到する中、「心配しないでください、すべての韓国人がそうではありません」「誰のせいでもないと思う。 運がなかった...」とのコメントが寄せられた。
「孫の空白を埋める選手はどこにもいない」
複数の韓国メディアが孫のファンがムベンバのSNSに韓国語で批判的なコメントを投稿したことを伝えた。
スポーツメディア「スポーツソウル」(WEB版)は、「『サッカーは格闘技か』・『行動に責任感を持て』...孫のファンたち、ムベンバSNSコメントテロ」とのタイトルで11月3日に記事を公開した。記事ではムベンバのSNSの最新投稿に2300以上のコメントが殺到し、「孫を応援するファンが残した悪質な書き込みが主だ」と指摘した。
「中央日報」(WEB版)は、激しいボールの奪い合いで孫を負傷させたムベンバにファンからの非難の声が注がれているとし、彼らはムベンバのSNSに怒りをぶつけたと伝えた。記事では韓国語、英語など様々な言語で書かれたコメントが殺到し、一部ファンは試合内容と関係のない人種差別的なコメントを残したと指摘した。
W杯カタール大会は11月20日に開幕し、グループHの韓国は24日の初戦でウルグアイと対戦する。スポーツメディア「スポーツ朝鮮」(WEB版)は、孫の大会不参加に備えて韓国代表のパウロ・ベント監督(53)は「プランB」を構想しなければならないが容易ではないとし、主将の孫は戦力の核であり代表の中心のため「孫の空白を埋める選手はどこにもいない」と嘆いたことを伝えた。