プロボクシングの元WBA世界ミドル級王者・竹原慎二氏(50)が2022年11月2日にユーチューブチャンネルを更新し、「会津の喧嘩屋」の異名を持つ久保田覚(26)が格闘技イベント「BreakingDown6」前に起こした「殴打流血」騒動に激怒した。
「どこかで行き過ぎないようにやらないと」
イベント前日に行われた記者会見で騒動が起こった。大会に出場を予定していた久保田は会見の場で対戦相手のユーチューバー・アドリブまさおをパイプ椅子で殴打し、左まぶたから流血させるケガを負わせた。このトラブルを受け試合は中止になった。
竹原氏は冒頭から怒りを隠さず「ちょっと頭にくることがあって(カメラを)回しています」と切り出し、「ブレイキングダウンに出ている久保田。あれが記者会見の場で突然暴れて椅子をぶん投げて相手にケガをさせました。『おい久保田、なめとんかお前』。そういう常識が分からんのか」と厳しい口調で苦言を呈した。
ボクシングなどの格闘技では試合前の会見で選手同士が口頭で激しくやり合うことは珍しくはなく、竹原氏は試合前の選手による煽り合いに関して一定の理解を示した。その一方で今回のような過度のパフォーマンスについては否定的な考えを示した。
竹原氏は「ブレイキングダウンはお互いに煽り合って盛り上げるのはいいよ。でもそれをやりすぎると今日以上のケガ人が出るわけよ。だからどこかで行き過ぎないようにやらないと。ダメだよ本当」と指摘し、ボクシングとの相違に言及した。
朝倉「ブレイキングダウンといえど度を越えてる」
「ボクシングは歴史あるスポーツ。煽り合いは多少ある。盛り上げて試合の時は真摯に戦っていますからね。それが違うよね。久保田君は昔悪さをやっててブレイキングダウンで一躍有名になって『頑張ってます』と言ってたけど、人気を得るために椅子を持って暴れちゃだめよ。こういうことが許されるのだったら次回のオーディションでもこういう奴が現れるよ」と注意を促し、「そうならないためにブレイキングダウン側もしっかりやらないとダメ」と締めくくった。
騒動を起こした久保田は2日の会見後、YouTubeに公開した動画で「盛り上げたい気持ちが強すぎました」と動機を説明。「(出演者は)煽り合いといってもキワキワでやっていた人が多かったので、ここまでやっちゃうのかと印象を悪くさせてしまいました」「見ていて不愉快だったと思います。本当に申し訳ございません」と謝罪した。
スポーツ紙などの報道によると、久保田は試合当日の3日もリングに上がって一連の行動を謝罪。「パフォーマンスとはいえ1歩間違えれば大会が中止になる行為だった」と反省し、「今後はブレイキングダウンという場所から永遠に姿を消したいと思います」と同イベントを離脱する意思を見せた。
総合格闘家で同イベントのプロデューサーを務める朝倉未来(30)は11月2日にユーチューブを更新し、騒動について言及。「武器を使って記者会見中にああいう行動をしてしまった久保田選手はやり過ぎというか、さすがにブレイキングダウンといえど度を越えてる」とし、久保田の今後に関しては「ブレイキングダウンとしては無期限停止じゃないですけどそういう処遇にするべきかなと思いました」と語った。