「事実として確認ができることではなく、大変不用意な表現だった」
杉田氏の数少ない実質的な答弁は、16年7月に産経新聞のウェブサイトに寄稿した内容についてだ。寄稿は、杉田氏が連載していた「杉田水脈のなでしこリポート」。「保育所を義務化すべきだ」という主張を批判する内容だ。寄稿では、
「子供を家庭から引き離し、保育所などの施設で洗脳教育をする。旧ソ連が共産主義体制の中で取り組み、失敗したモデルを21世紀の日本で実践しようとしているわけです」
「(コミンテルンが)これまでも、夫婦別姓、ジェンダーフリー、LGBT支援などの考えを広め、日本の一番コアな部分である『家族』を崩壊させようと仕掛けてきました。今回の保育所問題もその一環ではないでしょうか」
などと主張していた。「コミンテルンが日本の一番コアな部分である家族を崩壊させようと仕掛けてきた」という主張への見解を問われた小倉将信少子化担当相は「そのようなことはないと私は思っているし、政府もそのように思っていない」などと答弁した。
杉田氏は、
「これも個人的な過去の投稿で、差し控えさせていただきたいところではございますが...」
と切り出したが、答弁は拒否せずに次のように説明した。
「一般論として、保育園の数には限りがあり、受け入れられる子どもの数にも限りがあるので、そのために、各地方公共団体に入所の選考基準があるということを述べた内容だ」
だが、問題視された杉田氏の寄稿には、受入数の上限や入所基準に関する記述は見当たらない。コミンテルンとのつながりについては次のように話し、根拠がなかったことを明らかにした。
「その寄稿の中において、日本の保育事業とコミンテルンを結びつけて言及したことについては事実として確認ができることではなく、大変不用意な表現だったというふうに考えている」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)