プロボクシングの世界ライトフライ級2団体王座統一戦が2022年11月1日にさいたまスーパーアリーナで行われる。WBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口紘人(ワタナベ、28)とWBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(BMB、30)が対戦する。
「寺地はあらゆる面で一歩先を行っている」
日本人選手同士による世界王座統一戦は10年ぶり2度目で世界でも注目の一戦だ。米国の権威ある老舗ボクシング専門誌「ザ・リング」(WEB)は10月31日に統一戦の特集記事を公開し20人の識者が試合を予想した。
同メディアが設定するライトフライ級の世界ランキングでは京口がチャンピオンに君臨し、寺地が1位にランクされている。記事では両者はアマチュア時代に対戦しており互いによく知っているとし、王座統一戦は両者にとって大きなチャンスで勝者は日本のスターになる可能性が高いとの見解を示した。
実力者同士の一戦の予想は真っ二つに割れた。識者20人が予想した結果は、11人が寺地の勝利、9人が京口の勝利を支持した。
「ザ・リング」の編集者であるダグ・フィッシャー氏は京口の判定勝利を予想し「京口は接近戦で集中的なボディーアタックと絶え間ないプレッシャーを与え寺地のスタイルを崩壊させる。寺地は勇敢に反撃するも12回終了後の判定は満場一致で京口です」などの寸評を記した。
「ザ・リング」の元編集長トム・グレイ氏は寺地の判定勝利を予想。「2人ともエリートレベルだが、寺地はあらゆる面で一歩先を行っていると感じています。彼はより速く、より用途が広く、機動性が高いと思う」と評価し、「矢吹(正道)戦の敗戦は寺地にとって大きな転機であり、その敗北は簡単に報われた」と指摘した。
「日本最高の対決となるはずだ」
元世界王者の予想も割れた。5人の世界王者が予想し、3人が京口の勝利を予想し残る2人が寺地の勝利を支持した。
元世界3階級制覇のデューク・マッケンジー氏(英国、59)は、「どちらも優れたパワーを持っています。京口は拳四朗が彼にどのようなパンチを放っても全ての答えを持っているはずだ」とし京口の10回TKO勝利を予想した。
元WBC世界バンタム級王者ウェイン・マッカラー氏(米国、52)は「WBA と WBC のベルトを賭けた一戦は日本最高の対決となるはずだ」とし、「僅差判定で京口が勝つと思いますが激しい戦いになるでしょう。年間最高試合の候補になるかもしれない」とハイレベルの試合を期待した。
18年12月に京口と対戦して10回KO負けを喫し王座を失った元WBA世界ライトフライ級スーパー王者ヘッキー・ブドラー(南アフリカ、34)は寺地の判定勝利を予想。「私は京口と戦ったが、彼はとてもうまかった」と振り返り、「彼らはおそらく軽量級で最高の 2 人です。京口は積極性があり、拳四朗はカウンターパンチャー。拳四朗が接戦の判定で勝つと思います」と分析した。
京口は16年のプロデビュー以来負けなしの16勝(11KO)。対する寺地は20戦19勝(11KO)1敗。唯一の敗戦は21年9月に矢吹正道(緑、30)に敗れたもので今年3月の再戦で3回KO勝利を収め王座返り咲きを果たした。