ちむどんどんは本当に駄作だったのか 識者が考える「炎上の理由」と「作品の意義」

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「前の朝ドラの要素を取り入れる」というのは、朝ドラにはよくある手法

――木俣さんは22年9月に「ネットと朝ドラ」を出版なさいましたが、そこには、17年度前期の「ひよっこ」以降、朝ドラは新しい時代に入ったということで、同作以降を「ドラマをSNSを通し視聴者それぞれが朝ドラ語りを細分化していく時代」と位置付け、「朝ドラ3.0」という名前で現在を名付けていらっしゃいます。「ちむどんどん」の注目のされ方は、正しく、「朝ドラ3.0」そのものだったのでしょうか?

木俣:「ちむどんどん」でドラマと視聴者の関わり方がこんなにも激しく密接になったのでなにか名付けぬわけにはいられませんでした。あくまで便宜的なものですが。この状況は、まさしく、「朝ドラ語り」が推進力となっていたのだと思います。というのも、10月に入って「舞いあがれ!」の放送が始まっても、ツイッター上には「#ちむどんどん後遺症」などというハッシュタグが出てくるぐらいですから、視聴者がいまだに「ちむどんどん」について語っているのがよく分かります。

――ちなみに、視聴者がいかに「ちむどんどん」を引きずっているかが分かる「症例」になるかと思いますが、10月4日に放送された「舞いあがれ!」の第2回で、主人公・岩倉舞が幼少期に原因不明の熱を出して寝込むシーンがありましたが、これを見た視聴者から、「ちむどんどん」を思い出したとする声が上がりましたね。

木俣:過去の朝ドラの要素を取り入れるというのは、朝ドラにはよくある手法です。たまたま重なったとしても、「ちむどんどん」の反響などを鑑みて、「舞いあがれ!」の制作陣が重なりを回避しようと思えば、できた気がしますが、偶然か意図的なものか気になりますよね(笑)。

――となると、「舞いあがれ!」の制作陣は「#ちむどんどん後遺症」というハッシュタグが出現することを予測しつつ、作中に発熱の要素を入れてきたのかもしれませんね(笑)。

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