「憤りのあまり『一人もいない』と...」
記事は注目を集め、SNSでは「外務省のとんでもない怠業と醜態」「ひどい。これでは日本人を守れない」と外務省への批判が渦巻いた。一方、大使館の元関係者や国際政治学者からは真偽をめぐり疑問視する声もあった。
J-CASTニュースが28日、外務省報道課に事実確認すると、26日の衆院外務委員会で答弁したと話す。
この日は立憲民主党の青山大人衆院議員が、「(大使館に)ロシア語やウクライナ語を理解できる人間が一人もいなかったと。ある日ね。そんなことが外に漏れ出て報道されている」「こういうことになっちゃうと国民の皆さんは『外務省何やってんだよ』となる」と追及し、外務省に見解を質していた。
中込正志欧州局長は「在ウクライナ日本大使館でウクライナ語を専門とする外務省職員がいないという報道は事実と異なる」と一蹴。ロシアのウクライナ侵攻以降も一貫して、それぞれの言語を専門にする職員を配置していると答えた。
発端となった毎日新聞の記事は28日までに削除された。同紙編集部は「筆者の入手したメールは『日本大使館の全員がウクライナ語ができるわけではない』とすべきもので、『ウクライナ語ができる人間が一人もいない』という表現は間違いでした」と事実誤認があったと認め、「お詫びし、正確を期すため、筆者の申し出により記事を削除します」と謝罪した。
小川氏もツイッターで、「当事者として進めていた案件について日本大使館が機能しなかったことに関連して、本来は『日本大使館にはウクライナ語がわかる人間が限られている』とすべきところを、憤りのあまり『一人もいない』と表現してしまいました」と経緯を明かした。
この大使館員は極めて高いところからの指示で動いていたのですが、このようにメールを打ちました>Please answer in English, if it is possible, since not all my clolleagues understand Ukrainian.>all my clolleaguesですよ。この人はウクライナ語ができる人の存在を知らなかったのでしょうか。 https://t.co/MVdKfoFH6M
— 軍事アナリスト 小川和久 (@kazuhisa_ogawa) October 27, 2022