立憲民主党の泉健太代表は2022年10月28日の定例会見で、立憲の立ち位置について「損な役回りというところもあるかもしれない」とする見解を披露した。
かつて泉氏は「提案型」を強調したが、今国会では対決姿勢が強まり、審議では世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治をめぐる問題の追及に注力。野党としては、山際大志郎経済再生相を辞任に追い込むなどの成果を上げた。ただ、旧統一教会被害者救済法案以外の政策論争には注目が集まらない状況が続いている。「追及をせずに、政策だけを取り上げるというのは、綺麗な部分もあるかもしれない」とする一方で、「政策を監視してもらうという場を作ることも、とても大事」だとして理解を求めた。
追及せずに政策論議だけした方が「綺麗な部分もあるかもしれない」
泉氏の発言は、政策についてアピールが弱いことを指摘する記者の質問に対して出た。泉氏は、
「国民の皆さんの中には、確かに『委員会は政策のことのみ』という方もおられるかもしれない」
とする一方で、追及の意義を
「例えば国民の皆様が『これはさすがにおかしい』と思う山際大臣を辞めさせることができたのか、また、そういうことにも真剣に取り組んだ政党はどこなのか、というところを見ていただくことは大事」
とも説明した。
ただ、
「追及をせずに、政策だけを取り上げるというのは、綺麗な部分もあるかもしれない」
とも話し、「追及型」が党のイメージのマイナスに働くと受け止めている節もうかがえる。
第2次補正予算は「『いいね!』は押せない『言い値』予算」
その上で次のように話し、「損な役回り」でも追及が必要な理由を説明した。
「印象はいいのかもしれないが、例えば、やっぱり今回山際大臣を辞めさせるだとか、あるいは他の大臣に問題があるということを世に知っていただいて、正しい情報で内閣を見てもらう、政策を監視してもらうという場を作ることも、とても大事だと思っている。その意味では立憲民主党は損な役回りというところもあるかもしれないが、重要な役割を担っていると思う」
泉氏は会見の冒頭、総合経済対策の裏付けとなる22年度第2次補正予算案の総額が、一晩で4兆円も膨らんで一般会計で29.1兆円の規模になったことを指摘し、
「とてつもない膨らみ方をしている。これは、まったくもって中身がないことの証明だと感じる。言い値で予算の総額が決まっているという『「いいね!」は押せない「言い値」予算』だ」
と発言し、記者席からは失笑がもれた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)