動物番組「ペット大集合!ポチたま」(テレビ東京系、放送終了)に出演していたお笑いタレントの松本秀樹さんが2022年10月26日、TikTokで流行しているという犬のダンス動画にツイッターで注意喚起した。
「人間でいうと股を割いているのと変わらない痛みがあります」
松本さんは同番組で、看板犬のラブラドール・レトリバー「まさお君」とともに日本全国を回り、まさお君の引退後は「だいすけ君」「まさはる君」と旅を続けてきた。自身の公式サイトによると、愛玩動物救命士や愛玩動物飼養管理士1級、動物取扱責任者などの資格を持つ。
松本さんは26日、ツイッターで「松本秀樹 ちょっと怒ってます」と投稿。「最近、インスタグラムやTikTokでわんちゃんの前脚(両手)を持ってダンスしたり、前脚をわんちゃんの頬へ押し当てる『かわぴー』という動画を配信するのが流行ってるらしく」と流行の動画を説明した。
TikTokで「かわぴー」と検索すると、楽曲の「かわぴー」という歌詞に合わせ、犬の前脚を飼い主が頬に押し当ててポーズをとらせる動画が多数ヒットする。松本さんは「この『かわぴー』自体には問題はないのですが...(みんなめっちゃかわいいです)」とするも、一部の振り付けに問題があるとした。
「『カワピー』の前にダンスをさせる飼い主さんがいて、その際に、わんちゃんの両前脚を左右に大きく開いている飼い主さんがいらっしゃるのですが、これ絶対に止めてください。犬には鎖骨がなく、前脚は前後にしか動かせないんです。(我々人間が肩をグルグル回せるのは鎖骨があるから)」
さらに、「犬の前脚を開く行為は、人間でいうと股を割いているのと変わらない痛みがあります」と犬の苦痛について説明し、リスクを以下の通りつづった。
「その上、もし、この肩周りと首をつなぐ筋肉を痛めると、犬は前脚の2本で、自分の体重の3分の2を支えているので、歩いたり走ったりができなくなる可能性や...ここの筋肉は肩を固定するという大事な役割があるため、肩を脱臼しやすくなってしまいます。また、犬が高齢になり筋肉量が落ちてきた際に、前脚の靭帯が緩くなっていると、前脚が開き気味になり、寝てる姿勢から立つ、歩くという普通の事ができなくなってしまいます」
「家族である『犬という動物のこと』もう少し知ろうとしてあげてください」
松本さんは「『知らなかった』というのは、我々犬のプロがお伝えし切れなかった部分もありますが、知らなかった事でも、愛犬が怪我をした場合、その痛みや後遺症は無かったことにはなりません」と重ねて注意をすると、「我々プロは見ればわかります。動画のわんちゃん達はみんな愛されている、大事にされている顔をしています」と飼い主らに寄り添い、「なら、家族である『犬という動物のこと』もう少し知ろうとしてあげてください」と呼びかけた。
「散歩の後に足を拭く時、服を脱ぎ着させる時、犬の前脚は左右ではなく、前後方向に持ち上げるようにしてください。お願いします」と結んでいる。
松本さんは、上記のツイートが多くのユーザーの目に留まったことについて27日、「こちらの注意喚起について。たくさんのご賛同をいただき、拡散にもご協力していただき本当にありがとうございます」と感謝。「皆さまのおかげで『犬という動物について』『異種動物と人間社会で暮らす』という事について、調べ、学ぶ飼い主さんが増えたのてはないかと思います。本当に感謝です」(原文ママ)としている。