プロ野球横浜ベイスターズ、日本ハムで活躍した高木豊氏(64)が2022年10月25日にユーチューブチャンネルを更新し、同日に京セラドームで行われた日本シリーズ第3戦オリックス対ヤクルト戦を解説した。
「バッター心理は1本ヒットが出ると少し気分的に楽になる」
試合は0-0で迎えた5回、2死1、2塁のチャンスに山田哲人(30)が、オリックス先発・宮城大弥(21)からレフトスタンドに3ランを放って先制。7回には2死満塁から村上宗隆(22)が四球を選んで1点を追加した。9回には村上のタイムリー2塁打などで3点を挙げ、ヤクルトが7-1で完勝した。
高木氏がこの試合のポイントに挙げたのが3回ヤクルトの攻撃だ。2死走者なしの場面で山田が打席に立った。山田はフルカウントからの147キロのストレートに詰まりながらもセカンドへの内野安打で出塁。今シリーズ12打席目にして初安打を記録した。
高木氏は「バッターの心理は1本ヒットが出ると少し気分的には楽になる。それが決勝の3ランにつながったと思う」との見解を示し、セカンド安達了一(34)のプレーに言及した。
現役時代、セカンド部門でダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデン・グラブ賞)に輝くなど名手として知られる高木氏は「(山田は)追い込まれてからやっとバットをおっつけるように当てて、セカンド安達のセンター寄りに飛んだが詰まって安達の足が動かない。あれは少し前に出てきて速いステップワークでファーストに投げたらアウト」との見解を示した。
「山田の足があそこまで速いというのが入っていなかったのかな」
そして「あのプレーは明暗を分けた」とし、「見えないポイントかも分からないけどもあれはセカンドとして、俺もセカンドだったけど内野安打に絶対してはいけない打球だった。でも安全に安達が取りにいって、山田の足があそこまで速いというのが(頭の中に)入っていなかったのかなという感じがした」と続けた。
京セラドームに舞台を移して行われた第3戦は指名打者制が導入され、両チームともにスターティングメンバーを入れ替えた。
ヤクルトは不調の山田を1番に据え、2番に宮本丈(27)を起用。初戦、第2戦と1番に入った塩見泰隆(29)を3番に置いた。対するオリックスは4番に座っていた吉田正尚(29)を3番に上げ、頓宮裕真(25)を4番に起用。5番に宗佑磨(26)、6番に中川圭太(26)を置いた。
両チームが打順を入れ替えて臨んだことについて高木氏は「プラスに出たのがヤクルト。マイナスに出たのがオリックスだと思う」と指摘し、「当たっていない選手(山田)を1番に代えるのはなかなかできない。高津監督がシーズンからずっと山田を見てきて山田の性格とかをよく知った監督だから出来るわざだよね。見事な勝利だった」と指揮官を称賛した。
ヤクルトの2勝1分けで迎える第4戦は26日にオリックスのホーム京セラドームで予定しており、ヤクルトは石川雅規(42)、オリックスは山岡泰輔(27)が先発のマウンドに上がる。