江ノ島電鉄(江ノ電)は2022年10月24日、線路内で写真撮影をする観光客に対し、「固くご遠慮いただきますようお願い申し上げます」と注意喚起した。
背景にどんな事情があるのか。同社に聞いた。
自撮り目的で侵入?
江ノ電は神奈川県の藤沢~鎌倉を結び、沿線には海岸線や山など風光明媚な景色が広がる。写真スポットも多く点在し、鎌倉高校前駅近くの踏切は、人気漫画「スラムダンク」の聖地として知られる。
江ノ電は24日にツイッターで、観光客が沿線で記念撮影をする際、「電車がいないことを理由に線路の中に入ったり、許可なく私有地へ入ったり、車道にはみ出したり」といった行為に対し、「固くご遠慮いただきますようお願い申し上げます」とマナーを守るよう注意を促した。
注意喚起の前日には、江ノ電沿線の飲食店の客とみられる人物たちが、線路内で自撮りする姿がツイッターで拡散し物議を醸していた。この店もSNSで、江ノ電の投稿を引用して「(店の入り口は)線路を渡っていくようになりますが、充分にお気をつけください。また線路内での撮影はご遠慮下さい」とクギをさした。
江ノ電総務部は25日、J-CASTニュースの取材に、投稿の背景を次のように説明する。
「当社公式Twitterでは不定期に啓発関係の投稿をさせていただいております。全国旅行支援や様々な規制が緩和され、当社沿線にお越しになる観光客が増えている中、モラルに反せず、マナーを守った楽しい観光をしていただきたく啓発投稿をさせていただきました」
警察とも連携
看過できない迷惑行為が見受けられたのか尋ねると、「沿線にお住まいの方で、生活のために、やむをえず線路を横断せざるをえない場合等もございます」と地域住民への理解を示す一方、「明らかに線路内にて滞留をされていると思われるような場合、怪我や事故の原因となりかねません。一般論として危ない行為の1つであると認識しています」と答えた。
トラブル防止のため、沿線では注意を呼びかける看板を設置している。必要に応じて、所轄の警察署とも連携しているという。
前述のスラムダンクの聖地でも、線路脇には「立ち入り禁止」書かれた看板が置いてある。訪日観光客向けに、英語、中国語、韓国語でも案内している。