4団体王座統一目前の井上尚弥、スーパーバンタム級転向で「後釜」は? ロドリゲス、モロニーが虎視眈々

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   プロボクシングの世界バンタム級3団体統一王者・井上尚弥(大橋、29)が2022年12月13日にWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(英国、33)と王座統一戦を行う。井上が悲願の世界4団体王座統一を達成するかに世界的な注目が集まる中、試合後の井上の動向を注視している選手がいる。

  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
    井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

ロドリゲスは井上に2回TKO負けでプロ初黒星

   井上は世界4団体王座統一にこだわってきた。18年5月にWBA世界バンタム級王座を獲得すると翌19年5月にIBF世界バンタム級王座を獲得して2団体の王座統一に成功。そして今年6月にWBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン、39)を2回TKOで破り世界3団体の王座を統一した。

   大きな目標である世界4団体の統一に成功した後は階級をひとつ上げスーパーバンタム級に転向する可能性が高く、ベルトを返上すれば4つの世界主要団体王座が一気に空位となる。その王座を虎視眈々と狙っているのが、かつて井上に敗れた元IBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ、30)とジェイソン・モロニー(オーストラリア、31)だ。

   ロドリゲスは19年5月に英国グラスゴーで行われたワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝戦でIBF世界バンタム級王者としてWBA王者の井上と対戦。アマチュアの国際大会で実績を残しプロでは無敗のロドリゲスだったが、2回に3度ダウンを喫しての完敗だった。

   敗戦から半年後の11月に予定していた再起戦では、対戦相手のルイス・ネリ(メキシコ、27)が前日計量で体重を超過したため試合が中止に。20年12月にはWBC世界バンタム級暫定王座決定戦に出場し1-2の僅差判定負け。今年3月に約3年半ぶりに白星を挙げ、10月15日に米ニューヨークで行われたWBA、IBF世界バンタム級挑戦者決定戦で勝利し井上への挑戦権を獲得した。

   一方のモロニーは20年10月に井上に挑戦し7回KO負けを喫し王座奪取に失敗した。敗戦後はWBCシルバー王座、WBOインターナショナル王座を次々と獲得。世界ランクを上げていき、ロドリゲスと同日の10月15日に地元オーストラリアのリングに上がりWBC世界バンタム級挑戦者決定戦を制して井上への挑戦権を獲得した。

「井上がどうなるか様子を見ないといけない」

   世界タイトルマッチの切符を手にしたロドリゲスとモロニーは、王座獲得に向けてそれぞれ海外のボクシング専門メディアに意気込みを語っている。

   ロドリゲスは米国の歴史ある専門誌「ザ・リング」(WEB版)の取材に対して「井上であろうと他の誰かであろうと、私たちは(世界タイトル戦を)望んでいる」とし、「これまで言ってきた通り俺は誰とでも戦う」と元王者のプライドをのぞかせた。

   モロニーは米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン」(WEB版)のインタビュー記事の中で、井上の今後の動向を見据えた上で王座獲得へ意気込みを見せた。

   モロニーは「井上がどうなるか様子を見ないといけない。彼は階級を上げるようだ。だからWBCのタイトルは空位になるだろう」と予想し、「世界タイトルは私の夢だ。次はWBCの世界タイトルだ」と抱負を語っている。

   かつて井上の強打に屈したロドリゲス、モロニーが敗戦を糧に這い上がり再び世界タイトル戦の切符を手にした。この事実は両者が間違いなく世界トップレベルの実力者であることを示すと同時に、両者をあっさりとキャンバスに沈めた井上がいかに規格外の王者であることの証明でもあるだろう。その「モンスター」は日本人選手初の世界4団体王座統一、世界4階級制覇とさらなる高みを目指している。

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