発生メカニズムは?
洗濯機を製造するシャープ、東芝ライフスタイル、パナソニック、日立グローバルライフソリューションズに20日、見解を聞くと、4社とも防水加工の衣類脱水は禁止としており取扱説明書などで注意喚起していると答えた。
シャープはウェブでも案内しており、具体例として次の防水加工品を挙げる。
「レインコート/サウナスーツ/ウィンドブレーカー/スキーウェア/ダウンジャケット/理美容用クロス/オムツカバー/自転車、自動車などのカバー/寝袋/防水シーツ/防水エプロン」
想定される被害は「洗濯機の異常振動による家屋や製品の破損や怪我。また異常振動により製品本体が移動した場合、給・排水ホースが外れることによる水漏れなど」(東芝ライフスタイル社)で、パナソニックは発生メカニズムを「防水性のシートや衣類を脱水した場合、洗濯槽が回転しても水が衣類や繊維製品から出られないため、アンバランスが起き、激しい振動につながります」と解説する。
過去には、複数の団体が警鐘を鳴らしていた。業界団体「日本電機工業会」は2001年、「昨今、防水衣料が警及してきたため、ご家庭の洗濯機で防水性衣料等の洗濯をされる方が増え、異常振動等の報告が増加しています」と報告し、全自動洗濯機、ドラム式洗濯機、二層式洗濯機での脱水の留意点を示した。
この年には、大手衣料ブランドの防水ジャケットで脱水時の問題が判明し、運営会社が謝罪する騒動もあった。製品ラベルでは洗濯可能と表記していたが、脱水するとやはり洗濯機が破損する恐れがあった。
国民生活センターは13年、防水性のおねしょシーツと毛布などを洗濯、脱水して洗濯機が破損したとの相談事例を公表した。
製品評価技術基盤機構は2017年、異常振動の再現映像とともに「取扱説明書で禁止されている防水性のものや容量を超える衣類を洗濯しないでください」と警告した。