パラ金メダリストも称賛
例えば、想が手話教室で出会った聴覚障害のある女性「奈々」と喫茶店で会話するシーンでは、以下のように音声でのガイドがつけられている。
「紬が落としたワイヤレスイヤホンを、想がポケットから出して見ている。奈々が想に『どうしたの? 補聴器、拾ったの? すぐ交番に届けないと』と手話で話す。想が首を横に振って、奈々にワイヤレスイヤホンを見せる。奈々が、補聴器でなくワイヤレスイヤホンだとわかる。奈々と想が手話で話す......」
通常版では穏やかなBGMのみでほとんど音がないシーンだが、解説放送版では字幕表示されている手話での会話内容も、男女それぞれ声優を変えて読み上げており、耳で聞くだけでも理解しやすい配慮がされている。
SNSでは、視覚に障害のある人にとっても情景などがわかりやすい解説放送版に感動したとする声があがっている。
「TVerの『解説放送版』で観たけど、視覚に限界があっても、情景や描写が把握しやすくて、良い」
「TVerで見てて思ったけど解説放送版があるのってsilentだけなのかな?? ちらっと見たけど凄い どんな人でも見れていいね 明日2話見る.........」
東京パラリンピックの水泳100メートル・バタフライのS11(視覚障害クラス)で金メダルを獲得した木村敬一選手も驚きをツイートしている。
「サイレントっていう聴覚障害のドラマが、わざわざ音声解説付きでティーバーに上がってた。聴覚障害者の話が視覚障害者に配慮されてて、ずいぶん丁寧だなと思ってたら、手話で話が進んでいくシーンがたくさんあって、文字通りマジでサイレントで、音声解説なかったら太刀打ちできないところだった」
Tverで連続ドラマの解説放送版が配信されるのはこれが初めてではなく、過去には、視覚障害のあるヒロインが登場する「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日テレ系)などの例がある。