テレ朝・玉川徹氏問題で菅野志桜里氏に「後継説」も... 本人が完全否定「一切浮上してないし」

   テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」で、同社社員でコメンテーターの玉川徹氏が事実に基づかない発言をしたとして謹慎(出勤停止10日)処分を受けた問題が、思わぬ方向に波及した。

   玉川氏の降板がささやかれる一方で、「山尾志桜里」として衆院議員を務めた弁護士の菅野志桜里氏が後任として浮上している、との報道も登場。菅野氏は「一切浮上してないし」とSNSで完全否定しているが、それを「残念」だとするコメントも散見され、一定の期待論もあるようだ。

  • 弁護士の菅野志桜里氏。「山尾志桜里」として衆院議員を務めた(2020年撮影)
    弁護士の菅野志桜里氏。「山尾志桜里」として衆院議員を務めた(2020年撮影)
  • 弁護士の菅野志桜里氏。「山尾志桜里」として衆院議員を務めた(2020年撮影)

「大下容子ワイド!スクランブル」での解説が好評だった

   玉川氏の進退をめぐっては、10月13日にニュースサイト「NEWSポストセブン」が、玉川氏が「降板する意向を固めた」と報じた。ただ、この記事では「そのような事実はありません」とするテレビ朝日の否定コメントも載っている。翌14日には中日スポーツが

「『降板ならもう観ない』玉川徹さんモーニングショー『降板疑惑』に続投願う声 テレビ朝日『事実でない』」

と題する記事を配信し、続投説を後押しした。

   10月17日には、日刊ゲンダイがウェブサイトで、「玉川徹氏の後継に菅野志桜里氏が浮上!」と題した記事を配信。菅野氏は霊感商法への対策などを議論してきた消費者庁の有識者検討会のメンバー。10月4日放送の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)に出演した際の解説コメントが好評だったことを、その根拠のひとつとして挙げている。

   菅野氏は10月17日夕、ツイッターやフェイスブックで日刊ゲンダイの記事を引用しながら「一切浮上してないし」と否定。その上で

「そもそも訂正して謝罪した玉川さんが降板する必要全くないと思っています。今日は忙しくてちゃんと読んでなかったけど、まあまあよく知ってる人たちまで若干信じてるキライがあったので念のため」

と、玉川氏の進退に関する見解をつづった。この菅野氏の書き込みには、玉川氏は降板すべきだとする異論が相次いでいるほか、「でてほしいな」「残念」「菅野さんがやってるところは見てみたい」といった菅野氏への期待論も散見される。

局側見解「情報を扱って、それを伝えるプロの水準には到底達していない状況」

   テレビ朝日がウェブサイトで公表している10月6日の放送番組審議会の議事録によると、出席者からは

「玉川さんが体制に向かってきっぱり言う意見には視聴者が溜飲を下げることも度々あった。それが予断であったなら、これまで積み重ねたものすら泥を被ってしまうことが本当に残念」
「(国葬の入札を巡る問題について)玉川さんは本来知っていて然るべきなのに知らなかった。記者の基本動作ができていないということだと思う」
「コメンテーターという形では、もう画面には出ない方がいいと思う。徹底した取材をしてニュースのVTRを作る、裏方に回る方が、説得力が出るのではないだろうか」

といった、発言を批判する声が相次いだ。

   議事録に掲載されている「局側見解」は次のようなもので、報道関係者としての基本動作に疑問を投げかける内容だ。

「玉川の発言は、過去の情報のアップデート、最終的な事実関係の確認ができていなかったという完全なる事実誤認で、情報を扱って、それを伝えるプロの水準には到底達していない状況であった。報道局を挙げてファクトチェックを強化している途上でこのような事態となり、痛恨である。玉川本人も報道局としても、事実の重みを強く自覚して、改めて全力を尽くしていきたい」

   玉川氏は10月19日に番組に復帰する予定だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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