2022年10月16日に大阪市内で記者会見を行った阪神・岡田彰布監督の表情には、自信が垣間見えた。04~08年に阪神の6年間監督を務めて以来、15年ぶりの現場復帰。「前回は優勝チームを率いたのでキツイ部分もありましたが、今回は楽しみがあります。もう少し肉付けすれば、もう少し個々がレベルアップすればという事でチームが変わるのではという思いを強く持っています。シーズン終わる頃には楽しみにしていただけるのではと思います」と約束した。
「守備力を改善することで、相乗効果で打線も得点力が上がる」
20、21年と2年連続2位で今季は優勝候補の呼び声が高かったが、春先に大きくつまずき借金16の最下位に低迷。前半戦終了までに借金を完済したが、さらに上昇する力は残っていなかった。CS圏内の3位を死守するのが精一杯で、CSファーストステージは2位・DeNAを2勝1敗で撃破したが、リーグ覇者のヤクルトに挑んだファイナルステージでは3連敗。最後は拙守が重なり、自滅のような形で終戦した。
阪神の課題は明確だ。リーグ屈指の投手陣を擁しながら、リーグワーストの82失策。5年連続リーグ最多失策と守備の綻びが目立った。
矢野燿大監督は佐藤輝明、大山悠輔ら主力も内外野の複数ポジションを守る方針を貫いたが、岡田新監督はポジションの固定を明言。 「ピッチャー陣、特に若いピッチャー陣がいて、とてもバランスが良いチームだと思います。今年は得点部分でもう少し打ってあげればというのはありましたが、少し変えれば打てるようになると思います。大山と佐藤(輝)が中心となりクリーンナップを打って、不動のポジション(守備位置)でチームを引っ張っていく、そのようなチームだと思いますのでそこを固定して、それに若い選手が付いてくるようになればと思います」と来季の構想を語っている。
スポーツ紙デスクは「主力の守備位置を固定することで責任感が生まれるし、打撃にも集中できる。守備力を改善することで、相乗効果で打線も得点力が上がると思います。岡田監督は06年にリーグ優勝に導くなど勝ち方を知っている。来年は間違いなく優勝候補でしょう」と分析する。
阪神ファンの大きな期待を受け、名将がチーム改革に乗り出す。(中町顕吾)