HKT48が2022年10月16日に千葉市の幕張メッセで開いたコンサートで、矢吹奈子さん(21)がグループからの卒業を発表した。
HKT48は22年初めには46人のメンバーが所属していたが、22年に卒業したり卒業を発表したりしたのは、矢吹さんが16人目。22年春に18人が6期生として加入したものの、1年で先輩メンバーの3割超がグループを離れることになる。コンサートは、サブタイトルに「未来へのメッセージ」を掲げ、卒業ラッシュの中でも前向きな姿勢を打ち出す構成。若手メンバーの出番も多かった。そんな中での矢吹さんの卒業発表で、グループは新たな局面を迎えている。
「グループを支えてきた先輩たちの卒業。それでも、HKT48は続いていきます」
矢吹さんは3期生として13年にデビュー。握手会で指原莉乃さん(29=19年卒業)にオーディション受験を勧められて合格した経緯があり、指原さんの「秘蔵っ子」としても知られる。田中美久さん(21)との「なこみく」コンビは有名で、18年の選抜総選挙は矢吹さん9位、田中さん10位にランクイン。この年は不出馬だった指原さん、3位にランクインした宮脇咲良さん(24=21年卒業)に次ぐ人気メンバーだ。18年から2年半にわたって日韓合同ユニットIZ*ONE(アイズワン)のメンバーとして活躍した。HKT48復帰後は最新シングル「ビーサンはなぜなくなるのか?」(22年発売)の単独センターを務めるなどしていた。「ラヴィット!」(TBS)など、地上波全国放送では最もメディアへの露出が多いメンバーだ。
矢吹さんは卒業発表の中で、9年間にわたるキャリアの中で、「人に届くような女優になる」という「新たな夢」を見つけたと説明した。HKT48が次に出すシングル曲まで参加し、23年春頃に卒業コンサートを開く。
22年の卒業メンバーを年次別に見ると、最も多いのが11年デビューの1期と12年デビューの2期で4人ずつ。アイドルとしての活動が10年を超え、次の段階に踏み出す判断をする人も多いようだ。
矢吹さんが卒業を発表したのは、コンサートの最終盤。それまで、卒業ラッシュを念頭に置いたメッセージが相次いで打ち出された。例えば「君とどこかへ行きたい」では、次のメッセージがスクリーンに映し出された。
「グループを支えてきた先輩たちの卒業。それでも、HKT48は続いていきます。不安がないと言ったら嘘になるけれど、先輩たちの思いをしっかりと受け継ぎ、次の未来へと繋げていきます。これからもずっと、ファンの皆さんに力を与える、光になれるように」