「中東アフタヌーンティー」意外人気の背景は 「ツイステ」ファン注目で拡散、運営会社が拡大検討

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「中東料理」をアフタヌーンティーで提供した理由

   なぜファーイーストは中東料理を用いたアフタヌーンティーの提供を始めたのか。そもそも中東にアフタヌーンティーの文化はあるのだろうか。阿部さんは次のように説明する。

「『アフタヌーンティー』という文化はないと思いますが、交易で発展したアラブ地域ではお客様をもてなす文化が浸透しております。イスラーム教が浸透している影響で、お酒ではなくお茶を囲みながら旅の情報などを交換します。私たちが現地に足を運ぶ際にもとても温かく迎えてくださいます。
一つのポットを囲んで肌の色も宗教も異なる人々が旅の情報を交換し合うようなお茶の文化を、日本の方々にも親しみやすい形にしたものがアラビアンアフタヌーンティーです。中東料理に対して敷居の高さを感じてしまっている人々にも、お菓子やお茶から気軽に親しんでほしいという狙いもあります」

   こうした経緯から長らくアフタヌーンティーの提供を構想していたが、2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大。いったん計画は差し控えられるも、コロナ禍が落ち着き始めたタイミングで導入した。

「当時は外で飲酒を楽しむことが難しかったため、そういう点ではムスリムのようにお酒ではなくお茶で一息つきたいという人も増えていたと思います。長引く外出自粛でフラストレーションがたまってしまった人々にも、非日常を身近に安全にお楽しみいただけます。実際に来店された方々からは、現地から直接輸入した器なども好評で、旅行気分をお楽しみいただいたようです」

   しかし日本で中東料理を提供するのは容易ではない。例えば、中東で日常的に食べられているナツメヤシの実「デーツ」の輸入も困難だった。

「デーツは甘くて栄養価が豊富なので害虫がつきやすく、船の荷物すべてをダメにすることがあるとまで言われるほど輸出が困難な商品でした。そのため砂漠の砂、虫、輸送中に傷みやすそうなものは全て取り除かなければなりません。
現地の規格よりも厳しい検品を行う必要があり、双方の文化や想い、考えを理解し合うための話し合いが難航することもありました。それでも日本にどうしても輸出したい旨を伝え、どうしてこの作業が必要なのか説得を続け、受け入れていただきました。そしてペストコントロール(害虫駆除)やパッケージ包装、脱酸素剤などを導入し、ようやく商品化が叶いました」

   さらに阿部さんは中東について、日本ではまだあまり知られておらず、妖しげで魅惑的でありながら何処か近寄り難いなおとぎ話のようなイメージをもたれていると話す。そこで料理を提供する際には料理や食材に関する逸話や提供した背景などを紹介することを意識している。

「中東は古くから価値と価値が交換される交易で栄えてきました。貿易会社である弊社は、そんな中東の市場をイメージしながら多様な国々ではぐくまれてきた価値をお届けしたいと思います。物語を通して、お客様に現地の情景を目に浮かべてもらいながら異国情緒あふれる商品の魅力を感じてもらいたいです」

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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