製品化の予定は?
自動でコートの上を滑る仕組みについて、担当者は「手放し、つまりProPILOT 2.0と同様、ハンズオフでモップがコート上を動くもので、障害物と接触することなく自動でモップがけをしていきます。バスケットコートをインプットし、センサーによる緻密な位置制御を行う機能を搭載することで、ダンスチーム『Nissan Performers』とのシンクロしたショーを披露しました」と説明する。
構想から約3か月で4台を開発。開発コストは非公開だ。なぜ、開発対象を「モップ」にしたのか。担当者は「日産ならではの先進技術とアイデアでワクワクする体験を増幅し、NBA Japan Gamesをファンと一緒に盛り上げることが目的でした」とし、バスケの試合に欠かせないモップの「フロア清掃」に目を付けたと説明する。
八村選手やMVP2度のステフィン・カリー選手(ウォリアーズ)など大物が来日した今回のイベント。担当者は「試合会場や中継で眺めるNBAファンの意識は、当然ながらスーパースターのプレーに向いている中で、スポンサー企業のロゴやCMは、意識されない存在」だったとする。
その上で、「モップが手放しで動いた瞬間に観客が裏切られ、視線を奪われる。そこからダンサーとシンクロした動きで、まるで魔法のような世界に引き込んでいくことを意識しました」と、演出の意図を振り返った。「ハンズオフ走行」や「車線維持」「追い越しアシスト」など、実際の運転の様子をモチーフにした動きも演出に取り込んだという。
ツイッターで多くの反響を呼んだことについては「NBAファンの皆様に広く共感いただけ、結果SNSでも非常に多くtweet頂き、大変うれしく思っています」と伝える。
モップは今回のイベントのために開発されたものだとし、「販売や製品化は予定しておりません」。ただ、開発したモップについては活用を検討していくと回答。10月14日には、お披露目当日の熱気を伝えるパフォーマンス動画が、日産の公式YouTubeで公開されている。