増税、コロナ禍、物価高騰...それでも「子供のお腹と心を満たしたい」 苦境にも工夫で対抗、駄菓子メーカーの生存戦略

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コロナ前よりも売り上げは好調

   製造をめぐる状況は厳しいが、福井氏によれば同社の駄菓子の売り上げはコロナ禍以前よりも好調だという。

「昭和レトロブームが後押しする形で、大人が懐かしさを、子供が新鮮さを感じる形で脚光を浴びています。また販売戦略にも力を入れました」

   子供たちの心を満たすにはどうしたらよいのか、社員一丸となって様々な企画に取り組んでいる。例えば、占いができるチョコレート菓子「ぷちぷちうらない」では期間限定ですべての項目で◎が出る。コロナ禍で沈んだ気持ちの子どもたちに笑顔になってほしいという思いから発売し、話題になった。

   同様に自粛する子供たちに向けて発売したギフトボックス「おうちで駄菓子屋さん」も好評だという。お菓子セットと組立式屋台型陳列台が入っており、家の中でも駄菓子屋さんごっこを楽しむことができる。こちらはチーリン製菓の通販サイトで販売されている。

「駄菓子のような低単価の商品を、配送費まで払って大量に購入する人は少ないです。しかしギフトボックスという形にしたことで、メーカーからお客様に直接販売させていただくことができました。
通販によって、お客様と直接コミュニケーションが取れるようになったことで、値段以外の価値をお伝えしやすくなりました。またお客様の喜びの声が直接寄せられるようになり、とてもありがたいです。
SNSでもこうしたお客様の声が可視化され、以前よりお客様との距離が近くなったと感じます。
こうした声によって、商品の遊び方について想定よりも理解していただけているものや、反対に全然知られていないものがあることを知りました。作り手の自己満足になってしまわないよう、積極的に情報発信をしていきたいです」

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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