プロ野球巨人の元投手で野球解説者の江川卓氏(67)が2022年10月13日にユーチューブチャンネルを更新し、今季Bクラスに終わった巨人を独自の視点から分析した。動画は「【巨人5年ぶりのBクラス】大勢が迫真の投球もCS届かず!CSを逃した最大の要因!」とのタイトルで公開された。
「ホームランバッターが揃っているチームになった」
巨人は今季、68勝72敗3分けの勝率.486でリーグ4位に終わった。チーム防御率3.69、チーム打率.242はいずれもリーグワーストで17年以来5年ぶりのBクラス。原辰徳監督(64)は監督としてクライマックスシリーズ(CS)制度が導入されてから初めてCS進出を逃した。
江川氏は開幕直後の春先は打線が良い状態にあり「最初は一番強いと思っていた」と振り返った。ところがチームの主軸である坂本勇人(33)の戦線離脱や、夏場に打撃不振に陥った主砲・岡本和真(26)が4番を外れたことなどもありシーズン終盤にチーム状況が大きく変わったと指摘した。
「春先の強い良いチームの形で今年1年戦うのだろうなというのが、秋になって10月になって見てみたらホームランバッターが全部揃っているチームになった気がする。だから試合の結果が、ランナーが溜まってホームランが出た日は大量点で勝つ。だけどいいピッチャーが出てきて抑えられた時はゼロで終わってしまう。そういう繰り返しだった気がします」
今季の巨人打線は20本を超える本塁打をマークした選手がずらりと並び、主に打線のクリーンナップを担った丸佳浩(33)は27本塁打、中田翔(33)は24本塁打、岡本和真(26)は30本塁打。さらにボランコ(31)は24本塁打、ウォーカー(30)は23本塁打をマークした。
「大事なところにきて若手だけでは勝ちきれなかった」
江川氏は「今年はコロナとかケガもあるし色々なことで打順の変更をせざるを得なくなり、その結果、最後に組んだのがホームランバッターを並べる。5人が20本を打つというチームになった」とし、「それはすごく恐ろしいが、良いピッチャーになった時ホームラン以外点数が入らないというチームの形になったのが(Bクラスの)一番の原因だと思う。これはそうしようと思ったのではなくケガとか色々なことで春先の想像とは違った形になった」と説明した。
チーム防御率リーグワーストの投手陣にも言及。今季は8人の投手がプロ初勝利を挙げるなど若手の台頭が目立った。江川氏は「チームの方針があったんでしょうけど若手が春先から非常に多く使われた」と指摘し持論を展開した。
「8人が初勝利は初めてのこと。逆に考えるとそれだけいろんな若手を使った。成長させるために使ったということもあるだろうが、それだけ先発陣の柱がいなかったということになる。そのへんが9月10月の大事なところにきて若手だけでは勝ちきれなかった。3、4回投げると交代してリリーフ陣が出ていくのがすごく多くなっていったというのが最後のところ」
来季V奪回を目指す巨人は13日に来季のコーチングスタッフを発表。原監督のもとヘッド兼バッテリーコーチに阿部慎之助氏(43)が就任し、総合コーチに川相昌弘氏(58)、打撃チーフコーチに大久保博元氏(55)、投手チーフコーチには阿波野秀幸氏(58)が就任した。