写真素材サイト「スナップマート」の運営会社は2022年10月13日、販売した写真が虚偽広告に使われたとみられる問題を巡り、「関係者の皆様に多大なるご心配をおかけいたしましたことを、お詫び申し上げます」と謝罪した。
広告では、一軒家の写真とともに「月5万円台で、庭付き4LDK建てちゃった」と注文住宅の比較サイトを宣伝していたが、撮影者が自宅の写真を無断かつ誤解を招く形で使われたとして、被害を訴えていた。
「これ僕の家です」「勝手に広告にされては困ります」
関係者への取材などによれば、経緯はこうだ。10月10日からインスタグラムの広告で、注文住宅の比較サイトが配信された。
広告には立派な一戸建ての写真が使われ、「月5万円台で、庭付き4LDK建てちゃった」「このクオリティで月5万円台は最高」と広告制作者が同サービスを利用し、写真の戸建てを建てたと受け取れる内容だった。
しかし、撮影者がツイッターで「これ僕の家です」「勝手に広告にされては困ります」と被害を訴え、「しかも月5万って...100年ローンとか組まれました??」と広告文は虚偽だと知らせた。自宅に併設するガレージも映り込んでおり、車のナンバーまで晒されていた。
同サイトの運営会社によれば、作成したのはアフィリエイターと呼ばれる取引先で、写真は上場企業「ピクスタ」の子会社が運営する写真販売サイト「スナップマート」で購入した。
広告は問題があると認め、配信停止やスナップマートに事実確認をしていると取材に話した(詳報:「これ僕の家です」マイホーム写真を無断で広告使用、被害者が怒りの告発 掲載会社は不手際認める)。
スナップマート社は13日、J-CASTニュースの取材に、「関係者の皆様に多大なるご心配をおかけいたしましたことを、お詫び申し上げます」と書面で回答した。
「誠に遺憾に思っております」
スナップマート社によれば、問題の写真の出品者に連絡をしているもののいまだ回答がないとして、現時点でわかっている内容を明かした。
広告で使われた写真は「出品者が著作権者の許可なくコンテンツをアップロードした疑いがあると考えられ、誠に遺憾に思っております」との認識を示した。
利用規約では「出品者本人が制作しその著作権を完全に有しており、又は正当な権利者から適切に使用許諾する権利を得ていること」と定めており、「弊社では、このようなお問い合わせがあった場合、一律で、即時に該当のコンテンツを販売停止とする対応を行っており、今回ご指摘のあったコンテンツもすでに販売停止となっております」としている。
一方、写真を購入したアフィリエイターに対しても、規約で禁止する「虚偽、誤認惹起、詐欺、中傷、その他違法な内容又は文脈においてコンテンツ又は被写体を利用する行為」に該当すると問題視した。
プラットフォーマーである自社の責任についてはどうか。出品前に写真の審査はするが、限界があるとの立場だ。
「出品者がどこで撮影を行ったか等の撮影の経緯までは把握できかねますので、利用規約において出品者(撮影者・制作者)がコンテンツの著作権のほか被写体の権利等もクリアになっている旨を保証したうえでアップロードすることを定めております」
今後の対応は?
スナップマート社は、今回の件を「大変遺憾」だとして、規約違反をした出品者、購入者には「厳正に対処いたします」と宣言している。
写真の撮影者には「ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます」と謝罪し、ナンバープレートの写り込みについては「法令等に違反するものではないと認識しております」と前置きしつつ、不快な思いをさせたと陳謝した。
今後は「厳選な審査が実行できるよう審査体制の強化に努めると共に、Snapmartをご利用の皆様に利用規約に基づくルールを遵守いただけるよう、今後も周知徹底に努める方針です」としている。